2018年8月23日13,473 ビュー View

【取材】柴犬も熱中症に注意!初期症状や予防策など

今年は気象庁も異例の発表したように暑さ厳しい“異常気象”です。

人間がバタバタと熱中症で倒れていくように、犬にとってもこの暑さは非常に危険です。

そして8月後半〜9月はたまった夏の疲れもあり、朝晩は多少過ごしやすくなるとはいえ、残暑がより厳しく感じるのも事実です。

柴犬は夏毛とは言え、アンダーコートもみっちりの二重の毛皮をまとっています。

犬も人間も蓄積された疲れに気をつけてこの残暑を乗り切るには?

愛犬を守れるのはあなただけ!飼い主様必見の注意点や予防!

ベテラン獣医師にうかがって来ました!

日常生活で気をつけたい予防は?

柴犬,熱中症

Chendongshan/shutterstock

人間の暑いと犬の暑いは想像以上に違います。

 

私たちより体高が低く、毛皮に包まれている犬が歩く地面は40℃以上にも及びます。ましてや日中都会のコンクリートの上は50℃〜60℃となります。

 

こうなると、日中の外出や地面の上を歩かせるのは厳禁。

 

当たり前ですが、少しの間であっても車中への置き去りはダメですよ。

 

*熱い地面を歩くことによる肉球の火傷

*清潔な水をこまめに与え脱水症状を避ける

*地面が熱くない早朝、夜に散歩

*暑さと湿気がもたらす皮膚トラブルを避けるため皮膚の状態を把握

*ノミ、ダニ、フィラリアの予防薬服用

 

犬も熱中症になる。犬の熱中症の初期症状とは?

柴犬,熱中症

Grisha Bruev/shutterstock

人間と同様に犬も熱中症になります。

 

エクリン腺と呼ばれる汗腺が肉球にしかない犬は、我々人間と同じように汗をかくことで体温調節ができません。

 

暑ければ暑いほど、舌をだらりと垂らし、はぁはぁと呼吸が早くなります。

 

これを「パンティング」と呼び、水分補給を頻繁に行うなど、飼い主が熱中症を予防してあげられる初期の注意点です。

 

湿度が多いと、このパンティングでの体温調整もなかなか難しく、荒い呼吸と頻脈、目や口内の粘膜が赤くなっていきます。

 

熱中症の診断

柴犬,熱中症

acceptphoto/shutterstock

獣医師は犬の体温が40度を超えると熱中症と診断します。

 

熱放散能の低下要因としては柴犬の場合、肥満、循環器疾患(心疾患)、呼吸器疾患等があります。既往歴がある犬にはより一層の注意が必要となります。

 

診察台では40.5度を超えると確定診断となりますが、オーナーさんにより冷却がすでにされていた場合は体温を見ずに診断することもあります。

 

また室内でも熱中症にかかるのは犬も同じ。

 

人間にとっては適温でも犬にとっては暑いといったことがあります。

 

フローリングの上に寝そべっている、水をたくさん飲む、息が荒いなど状態の変化を見逃さないようにしましょう。また気温だけでなく湿度60%以上のときも熱中症に注意です。

 

いち早くこれらの異変を察知し、この初期段階に受診できると命に関わることもなく回復も早まります。

 

重篤になると?熱中症の症状

柴犬,熱中症

Luna S/shutterstock

熱中症の症状が進むとこちらもまた人間とほぼ変わらぬ症状の悪化が見られます。

 

41度以上の体温の上昇、嘔吐、下痢、呼吸困難、痙攣、多臓器不全、意識不明にまで及びます。このような状態が3時間以上続き、尿が出にくくなる、血尿、吐血、血便などが出てくると回復の見込みも少なくなっていきます。

 

初期症状を見逃すと悪化も早いのが犬の熱中症です。体を冷やしながら大至急動物病院へ。

 

熱中症になってしまった時に応急処置は?

柴犬,熱中症

Chendongshan/shutterstock

体を冷やします。この応急処置をすることで30分〜1時間で症状が落ち着く犬が多いです。

 

落ち着いたからといって安心せず、必ず獣医師の診断とその後の対応を指導してもらってください。

 

左右の肩甲骨の間にある大椎(だいつい)、頭頂部になる百会(ひゃくえ)といったツボをマッサージするのも犬が気持ち良さそうにするのであれば効果的と言えます。

 

常日頃から水分をこまめに摂らせる、体重の管理、肝機能や呼吸機能のチェックを獣医師に行ってもらうことで防げることも多くあります。

 

ご自宅で体を冷やす際には後頭部、足先、首、脇、後脚の付け根を重点的に。

 

また冷却する場合はタオル等を水道水で濡らした後、ドライヤーで送風する方法が良いと言えます。

 

アルコールは引火、吸引のリスクがありますし、氷嚢等を使うと血管収縮して却って熱放散を抑制し深部体温が上昇する場合があります。

 

病院にて治療する場合は、さらに点滴や体腔内冷却を行うことが多いですが、この方法はご自宅ではお勧めできません。

 

余談の膀胱炎

柴犬,熱中症

Africa Studio/shutterstock

柴犬は家の中で排泄行為をしない子が比較的、他の犬種より多いと聞きます。

 

この暑さ厳しい夏に室内で排泄をスムーズにしてくれたらどんなに心配が減るでしょう。

 

もちろん夏だけではなく一年を通して膀胱炎になる柴犬は多いですが、この夏場増えるのも事実です。

 

こまめな排泄を心がけたくても頑固なほどにスムーズにいかない柴犬の排泄事情。

 

パピーの頃はトイレシーツの上でしてくれていたのに、大きくなったら外でしかしない、ウンチは必ず外、などなど。

 

梅雨時期、猛暑が続くと飼い主さんもやきもきしてしまいますね。

 

フードに水分を多めに含ませる、手作り食を与える、犬用のスポーツドリンク、ミルクなどをこまめに補給させ、排泄を促しましょう。

 

膀胱炎の症状である少量頻回尿、血尿、排尿痛等の症状が出た場合は、念のため獣医師の受診し、抗生物質投与などその後の治療が必要となることもあります。

 

その子に合った治療法、予兆を見逃さないように日頃からかかりつけの獣医師と信頼関係を築いておきましょう!

 

 

ご協力いただいた獣医師

西葛西ペットクリニック

行木義一院長

 

バウ動物病院

立花祐院長

 

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