柴犬(しばいぬ)の性格/基本情報

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りりしくて素朴で、和の魅力をたっぷり感じさせる柴犬は、まさに日本の犬です。流行に左右されず、根強い人気を保ち続けています。2017年の犬種別犬登録頭数では堂々の5位を記録! 海外でも人気で、アメリカでは年間1,000頭以上も登録されています。

 

小柄な体つきで、室内でも飼いやすいのも人気の理由のひとつです。「日本犬」には、柴犬の他に秋田犬など6犬種が存在しますが、小型犬は柴犬だけ。そんな柴犬の特徴や歴史、飼い方などの基本情報を紹介していきます。

柴犬(日本犬)のルーツ・歴史

Seregraff:shutterstock

犬は人類最古の家畜と言われています。生活のパートナーに適した犬を人間が選び続けた結果、現在では500種(非公認のものも含めれば700種)もの犬種が誕生しました。国際畜犬連盟(FCI)によると、体高(静止したときの地面から肩甲骨上端までの高さ)が世界最小のチワワは15~23cmで体重は0.5~3.0kgですが、一方で世界最大のマスティフは体高70~76cm、体重79~86kg。同じ学名(犬の学名は「Canis familiaris」と言います)を持つ種の中で、体高約4倍、体重約60倍の差がある動物は他に存在しません。

 

大陸から渡ってきた日本犬の祖先

日本犬の祖先は、日本列島がユーラシア大陸とつながっていた大氷河時代に大陸から渡ってきたと考えられています。大氷河時代が終わり、気候が温暖になって海面が上昇し、日本列島は大陸から切り離されました。列島に残された生物は独自の進化を遂げることになったのです。

 

縄文時代が始まるのは、日本列島が孤立し、温暖な気候となった今から1万1500年前頃のこと。この頃すでに、人類と犬は協働して狩りをしていたのではないかと考えられています。しかし、これまでに見つかった埋葬された犬の骨は、愛媛県の上黒岩岩陰遺跡で発掘された約9000年前のものが最古であり、1万年前の犬の歴史についてはほとんど明らかになっていません。

 

発掘された縄文時代の犬は、額段(ストップ)が浅いのが特徴です。人間で言うところの「ホリが浅い」顔立ちをしていました。そして、頭蓋骨の最も長い部分がオスは平均169mm、メスは157mmで、体高は、30~45cm。現在の柴犬と同程度が、それよりも一回り小さい小型犬サイズだったと分析されています。

 

弥生時代になると、日本列島へ大陸からの農耕民族が渡来してきます。彼らが海を越えて連れてきた犬と日本列島の犬とが交配し、現在の日本犬の原型ができたと考えられています。

 

大和朝廷の時代になると鷹甘部(たかかいべ)という職業部が置かれ、タカと共に犬も狩猟のために飼育・調教されました。その後は江戸時代まで、官による犬の訓練が続けられます。1,000年以上に渡り犬の飼い方や訓練方法、病気の治療法などが研究されてきたのです。

 

日本犬、絶滅の危機!?

Seregraff:shutterstock

しかし、このような官による犬の訓練は、明治時代になると途絶えてしまいます。開国によって洋犬の輸入が始まると、自由な交配によって混血が進んできました。大正時代になると、洋犬と混血していない日本の犬は、洋犬が入って来られない地方や山間部でしか見られなくなってしまいました。深い山から連れ出された犬は「山出し犬」と呼ばれて、純粋な日本の犬として重宝されるようになります。

 

日本古来の犬を守ろうと、1928年(昭和3年)に日本犬保存会が設立されました。その4年後から血統登録が開始されます。日本犬保存会を立ち上げた斎藤弘吉氏は、『忠犬ハチ公』を紹介して一躍有名にした人物です。また、第1次南極地域観測隊の『タロとジロ』たち樺太犬の救出のために尽力したことでも知られています。

 

日本犬保存会によって「日本犬」と総称されるようになった国産犬(地犬)は、このとき7種に分類されました。小型犬の柴犬、中型犬の紀州犬・四国犬・甲斐犬・北海道犬・越(こし)の犬、大型犬の秋田犬です(残念ながら越の犬は絶滅してしまったと言われています)。

 

柴犬が国の天然記念物になる

Ekaterina Brusnika:shutterstock

当時の文部省は、1934年(昭和9年)から1934年(昭和12年)にかけて、この7犬種を日本に特有な畜養(人間に飼育される)動物として国の天然記念物に指定し、保護・保存の対象としました。柴犬が天然記念物に指定されたのは、1936年(昭和11年)のことです。

 

「天然記念物なのに飼ってもいいの?」と不思議に思われるかもしれません。実は、天然記念物に指定される動物には、5つの基準があります。

 

(一)日本特有の動物で著名なもの及びその棲息地

 

(二)特有の産ではないが、日本著名の動物としてその保存を必要とするもの及びその棲息地

 

(三)自然環境における特有の動物又は動物群聚

 

(四)日本に特有な畜養動物

 

(五)家畜以外の動物で海外よりわが国に移殖され現時野生の状態にある著名なもの及びその棲息地

 

(六)特に貴重な動物の標本

「国宝及び重要文化財指定基準並びに特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準」より

 

柴犬などの日本犬は、「(四)日本に特有な畜養動物」として天然記念物に指定されました。つまり、そもそも人間に飼育される動物として指定されているので、他の犬種と同様に家族として迎えてもOKなのです。

 

日本犬の定義

Alexandra Morrison Photo:shutterstock

日本犬保存会がなんとかして後世に残そうとした日本犬。彼らはどのような特徴を持っているのでしょうか?

 

日本犬保存会は1934年(昭和9年)に「日本犬標準(スタンダード)」を制定しました。その冒頭で、日本犬の本質を一文で表しています。

 

悍威(かんい)に富み良性にして素朴の感あり、感覚鋭敏、動作敏捷(びんしょう)にして歩様軽快弾力あり。

「日本犬標準」より

 

「悍威」は気迫と威厳、「良性」は忠実で従順なこと、「素朴」は飾り気のない地味な気品と風格を表します。「顔に始まり、顔に終わる」という格言もあるほど、日本犬は顔の品位が大切にされています。

 

また、オスはオスらしく、メスはメスらしいという、性差の特徴が際立っていることが良いとされています。この性差は「性微感」と呼ばれます。その性による違いは顔や体格だけでなく、性格にも表れます。活発で強さを主張するオスに対し、メスは自己主張が少なく、家族に感心を寄せる傾向を持っています。

 

柴犬(しばいぬ)の名前の由来

Akbudak Rimma:shutterstock

「柴犬」という名前は、中部山岳地方で呼ばれていた名前が語源ではないかと言われています。その由来は、

 

・毛色が茶褐色で枯れた柴の色に似ている

・柴のやぶを器用にくぐり抜ける

・古語で小さいものを柴と呼ぶ

 

など諸説ありますが、明らかにはなっていません。

 

なぜ柴犬だけ地名がつかないの?

 

他の日本犬には「秋田犬」のように地名がついているのに、なぜ柴犬にはつかないのでしょうか?

いいえ、実は地名が名前についている柴犬もいるのです。

もともと柴犬には、各地に特色を持つ地柴(じしば)が存在していました。

 

1936年(昭和11年)に天然記念物となった柴犬ですが、その後も絶滅の危機は続きました。第二次世界大戦による食糧難や伝染病の流行が原因で、柴犬の数はさらに減っていったのです。

 

このままでは柴犬が絶滅してしまう。そう考えた人びとは、各地の地柴を集めて交配をし、種を存続しようと試みました。この挑戦は成功して、現在のような柴犬が残りましたが、地域の名前がついた柴犬の特質は失われていき、平均化が進んでいったのです。

 

現在でもわずかながら、地名を名前に持つ柴犬が残っています。それぞれ地域により、体型や毛色に特色があります。理想とされる標準値(スタンダード)は、それぞれの保存会が独自の基準を定めています。

 

信州柴犬

標高の高い信州や群馬などの山間部の気候に適した柴犬です。現在の柴の基本体系のベースとなっています。

信州柴犬のなかでも「川上犬」はさらに希少で、大正時代に長野県の天然記念物に指定されました。

 

美濃柴犬

岐阜県産の美濃柴犬は、「緋赤」と呼ばれる赤茶の毛色が特徴的です。一般的な柴犬によく見られる顔や胸の白い毛(裏白)がなく、ぱっと見た限りでは柴犬には見えないかもしれません。全身一色の毛色は、朝日や夕日にあたると燃えるように輝いて見えると言います。

 

山陰柴犬

山陰柴犬のベースは、かつてアナグマ猟で活躍した因幡犬です。頭部は小さく、スリムで引き締まった筋肉質な体つき。ヤブをかき分けたり、狭い獲物の巣穴に潜り込んだりするのに適しています。標準的な柴犬は、しっぽがくるりと巻いた「巻き尾」が多く見られますが、山陰柴犬の場合は、すらりとしなやかに伸びた「差し尾」が多いのが特徴的です。これは、狩りのときに遠目でも猟師が犬からのサインが確認しやすいため、好んで残されたからと考えられています。

 

縄文柴犬

縄文柴犬は地柴ではありませんが、縄文遺跡で発見された犬の特徴を持つものとして、他の柴犬とは区別されて保存されています。面長で足が長いという、犬の埴輪とも類似した特徴を持っています。

 

柴犬「体」の特徴

Seregraff:shutterstock

ピンと立った三角の耳に、くるりと巻いたしっぽ。小さいけれど引き締まった体に黒い瞳。柴犬のルックスはどこか野性的で、素朴さを感じさせます。

 

たぬき顔ときつね顔

理想とされる柴犬の特徴は、保存会によって多少の違いがあります。顕著なのは顔の形です。

 

ストップ(額段)と呼ばれる頭から鼻の付け根の骨格が深くて鼻の短いのは「たぬき顔」、その反対でストップが浅く鼻が長い顔つきは「きつね顔」と呼ばれます。

 

日本犬保存会は「たぬき顔」をよしとし、天然記念物柴犬保存会では、縄文時代の遺跡で発見された犬の骨格と類似した「きつね顔」をよしとしています。現在主流の柴犬には「たぬき顔」の方が多く見られます。

 

サイズ・大きさ

オス/体高38~41cm、体重9~11kg

メス/体高35~38cm、体重7~9kg

 

分類では小型犬ですが、限りなく中型犬に近いサイズです。理想とされる標準よりも大きく成長することも多くあります。

 

Seregraff:shutterstock

小さくて三角形で、少し前に傾くようにしてピンと立つ「立ち耳」です。

 

やや奥まっており、目尻は上がっていて三角形。色は濃い茶褐色が理想とされます。

 

Seregraff:shutterstock

上下のくちびるは光沢のある黒で、真一文字にしまっています。

 

広く扁平な額をしています。

 

Seregraff:shutterstock

鼻筋はまっすぐで、鼻先は黒く湿っています。

 

適度に張って深く力強い胸を持ちます。

 

背・腰

背から腰、尾の付け根までまっすぐなライン。

 

尾(しっぽ)

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太く力強く、くるりと巻いた巻き尾が一般的です。まれに、背中に向かって鎌のように伸びる差し尾も見られます。

 

太くてたくましい首。

Seregraff:shutterstock

 

四肢(前足・後ろ足)

前足は胸と同じ幅、後ろ足は腰と同じ幅で、まっすぐに伸びています。特に後ろ足のももの筋肉が発達しており、力強く踏ん張ります。足先の甲にも厚みがあって、力強く握っています。

 

被毛

上毛と下毛のあるダブルコートです。上毛はかたい直毛、下毛はやわらかく密生した綿毛を持ちます。あごの下や胸の下が白っぽい「裏白」があるのが特徴です。通常、どのカラーの柴犬にも白い部分があります(美濃柴犬は例外で、赤茶一色です)。

 

毛色

柴犬の基本カラーは「赤」「黒」「胡麻」の3色です。

例外的に「白」も認められています。

 

【赤】

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もっとも一般的な色で、柴犬の約8割を占めます。淡い赤から濃い赤まで、色合いは様々ですが、明るく清らかな色が望ましいと言われています。あごの下から首、胸の下、お腹にかけて白い毛となる「裏白」は、赤い部分とくっきりわかれているよりも、徐々にぼかしたようなグラデーションになっているほうがよいとされています。

 

【黒】

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最近人気が高まっています。黒をベースに、顔の下半分や胸、足先などがクリーム色をしているのが特徴です。目の上の斑(はん)は、平安貴族のまろ眉のようによく目立ちます。これは「四つ目」と言われ、はっきりしている程良いとされます。光沢のあるつややかな黒よりも、グレーを帯びたくすみのある黒のほうが日本犬らしいとされ、高く評価されます。

 

【胡麻(ごま)】

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赤、黒、白の毛が混ざり合っています。全体的に赤が多い場合は「赤胡麻」、黒が多い場合は「黒胡麻」と呼ばれます。

 

【白】

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柴犬にはめったにない珍しい色です。展覧会(ドッグショー)などでは減点になってしまいます。

 

子犬だけに見られる毛色

 子犬のうちだけ、口のまわりに黒い毛が生える「黒マスク」が多く見られます。この黒い毛は、成長とともに徐々に白や赤に生え替わり、2歳を過ぎるとほとんどなくなってしまいます。まれに口のまわりだけ白い毛が生える子犬もいて、こちらは「逆マスク」と呼ばれます。

 

柴犬の「性格」の特徴

Anna Mandrikyan:shutterstock

2012年2月、雑誌『National Geographic』(ナショナルジオグラフィック)に「How to Build a Dog」という記事が掲載されました。これはアメリカの研究者が、80種の犬種とオオカミやコヨーテなどの野生の犬のDNAを集めて検証した結果を発表したものです。この研究で、柴犬は最もオオカミに近いDNAを持っていることがわかりました。

 

野生にあふれる性質は狩猟犬や番犬に適していました。優れた狩猟犬として日本人と共に暮らしてきた柴犬には、今でも狩猟犬としての性格が残っています。

 

主人と認めた飼い主には従順。警戒心や忍耐力に長けています。狩りの現場では単独行動が必要なときもありました。そのため、ひとりでも判断して行動する独立心も強く持ち合わせています。

 

クールで自信に満ちた雰囲気は柴犬の魅力ではありますが、警戒心や縄張り意識ばかりを強める飼い方をしていると、飼い主以外の人や他の犬を寄せ付けない性格に育ってしまうこともあります。

 

自分の判断で行動したがる頑固な性質は、初心者にはしつけが難しいとも言われますが、一方でとても頭がいいのも柴犬の特徴です。根気良く接すれば、たくさんのことを学習してくれます。

 

明るくおだやかな性格に育てるには、人間社会の様々な刺激や環境に慣れさせる「社会化」が大切です。生後3週齢を過ぎたら、掃除機やインターホンなど家の中の音や、体を触られることに少しずつ慣れるようにしていきます。

 

柴犬の「飼い方」のコツ

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日本の気候風土の中で育った柴犬は、かかりやすい病気も少なくて丈夫です。きびきびと活発に行動して運動が大好きで、小型犬でありながら体力は充分。以前は番犬として外で飼われることが多かった柴犬ですが、最近では室内で飼う人も増えてきています。小型犬であり、無駄に吠えず、テリトリー内で粗相しないきれい好きであるため、室内飼いにも適しています。室内で飼うほうが警戒心も弱まり、おだやかな性格になるとも言われています。

 

昔ながらのブリーダーには、外飼いにこだわる人もいます。四季のうつろいを体感させたほうが、被毛の生え替わりが自然なサイクルになり、毛並みがよくなると言います。自由に駆け回れる環境で飼育するのが理想ですが、体力のある柴犬は脱走も得意。ほとんどの県では脱走できてしまう環境で犬を飼うのは条例で禁じられています。愛犬の安全のためにも、脱走対策は万全に行いましょう。

 

とはいえ、私たちShiba-inu Lifeは柴犬と室内で暮らすことを推奨しています。室内で暮らすということは、必然的に共にいる時間が増えるということ。たくさん触れ合って、一緒に眠る…じっくり愛情を注ぐ時間をできる限り多く確保することが、心も豊かでいられる秘訣だと思います。

 

意外と多い抜け毛!

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短毛なのにびっくりするくらい抜け毛が多い柴犬。これは、ダブルコートと呼ばれる二重の被毛のためです。四季の変化がはっきりしている日本の気候に合わせて、皮膚を水や紫外線から守るために、たっぷりとふわふわの下毛が生えており、これがどんどん生え替わります。

 

1年のうちでもっともよく抜けるのは春から初夏にかけて。冬の間寒さから身を守っていた冬毛がごっそりと抜けます。ひとまわり体が小さくなってみえるくらいの量です! アンダーコートは抜けてもそのまま体に残ってしまいがち。梅雨と重なるこの時期、放っておくと臭いや皮膚トラブルのもとになってしまいます。

 

寒くなる前にも換毛期があります。温かい冬毛を蓄えるために、古い夏毛が抜けていきます。なお、季節差をあまり感じない室内飼いの場合にははっきりとした換毛期はない傾向にあり、一年を通して毛が生え替わっていきます。抜け毛対策にはブラッシングが一番。シャンプー前のしっかりとしたブラッシングが効果的です。

 

かかりやすい病気

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日本の気候に適していて、健康で丈夫な柴犬ですが、比較的皮膚トラブルが多いのが特徴です。かかりやすいのはアトピー性皮膚炎、膿皮症や内分泌性皮膚炎など。これらの原因は、不衛生やノミやダニ、カビ、体質に合わないドッグフードなど。また、頻繁なシャンプーや足の洗いすぎで皮膚病になることもあります。

 

皮膚トラブル予防には、こまめなブラッシングが大切です。散歩をしたあとには被毛を清潔にし、濡れたときはよく乾かすなど、皮膚に負担がかからないように気をつけてあげましょう。

 

アトピー性皮膚炎は、室内のチリダニ、ノミ、花粉、食物などがアレルゲンとなって発症します。他犬種と比べると柴犬の発症率はとても高く、注意が必要です。従来の日本犬の主食は魚や穀物でした。肉食に慣れていなかったため、肉が主成分のドッグフードの普及がアレルギーの原因となったという説もあります。脱毛の症状が見られたときは、まずは動物病院で相談することをおすすめします。

 

柴犬以外の日本犬

大型犬

秋田犬

Lunja :shutterstock

奥羽山脈一帯で狩猟犬として使われてきたマタギ犬や、秋田犬北部の大館地方の地犬(特定の地域にのみ生息する犬)を基にしてつくられた、日本犬唯一の大型犬です。日本犬では最も早く世界に知られ、登録数は日本国内よりも海外の方が上回っています。「忠犬ハチ公」や「わさお」が有名ですね。日本犬には、しっぽが巻いている巻尾と、巻かずに伸びている差尾とがありますが、秋田犬は巻尾であることが必須とされています。

 

中型犬

北海道犬

アイヌ民族が連れていた犬が祖先だと言われています。耳が小さくて厚く、がっちりとした体型が特徴です。中型犬としては小柄ですが、寒さに耐える強靱な肉体と、クマにも立ち向かえる勇敢さを兼ね備えています。SoftBankのCMで「白戸家のお父さん」として有名になったカイくんが北海道犬です。

 

甲斐犬

柴犬基本情報

Melissa Grisham:shutterstock

南アルプス周辺地域を主な生息地とし、カモシカなどを狩る猟犬として重宝されていました。豊かな自然の中で形作られた厳しい姿をそのままに保っています。日本犬の中型犬の中では小柄です。毛色は「甲斐犬虎」とも呼ばれるように、虎毛のみです。色の濃淡によって、黒虎毛・中虎毛・赤虎毛と区別されます。

 

四国犬

柴犬基本情報

PardoY:shutterstock

高知県を中心に、四国山脈の山間部で保存されてきました。もともとは「土佐犬」と呼ばれていましたが、「土佐闘犬」と区別するため、現在では「四国犬」という呼び方が一般的となりました(土佐闘犬は、四国犬にイングリッシュ・マスティフ、オールド・イングリッシュ・ブルドッグ、ブル・アンド・テリア、グレート・デーンなどを交配させて生まれました)。野性的な風貌に精悍ないでたちは四国犬特有のものです。動作も敏捷で、ニホンオオカミに間違えられることもあるといいます。

 

紀州犬

柴犬基本情報

Molica_an:shutterstock_

紀伊半島一帯で飼育されていました。ほとんどが白毛ですが、まれに赤毛、胡麻毛もいます。静かでゆったりとした雰囲気を持っていますが、注意能力が非常に高く、猟犬として活躍していました。狩猟人口が減り、現在は家庭犬として愛されています。

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