2019年11月5日1,534 ビュー View

【柴犬お悩み解決NOTE】#5 もしかして分離不安!? お留守番のとき鳴くんです【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】

第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。

今回は、“お留守番のとき吠える”というお悩みです。これは、分離不安と呼ばれるもの。分離不安だと愛犬にとっても辛いし、オーナーにとっても近所迷惑などが心配で辛いもの。果たしてその解決策は?

お悩み:留守番のとき鳴き続けてしまいます

3歳・女の子

留守番ができなくて困っています。私が仕事や買い物で出かけると鳴き出して、呼ぶように少し高音で30分くらいは鳴き続けます。破壊行動はありません。

 

二世帯住宅で、私と愛柴は2階で、母が1階で生活しています。去年まで息子も一緒でしたが、仕事のために出ていき、いまはほかの場所で1人暮らしをしています。

 

散歩は朝晩30分から1時間程度。休みの日はドッグラン等に行っています。

家にいるときは一緒にオモチャ遊びをしたりします。

 

ただ、私が部屋移動やトイレ、お風呂などの時もついてきます。留守番が淋しいのだろうとは思いますが、ずっと鳴き続けているので困っています。

 

あまりにもひどいときは母が2階に来て少し遊んでいるみたいです。

 

犬にとって、ひとりになるのは不安なこと。分離不安はどの犬にもある

柴犬

rybex/shutterstock

お留守番時の過度な吠えは「分離不安」などと呼ばれることが多いです。読んで字のごとく、家族と離れると不安になることです。

 

僕は、程度は違えど、どの犬も「分離不安」はあると考えます。

 

昔から言われていることや文献を見ても、何よりうちで預かっている犬たちを見ていても、やはり犬とは「群れ」を成して生きていくことが当たり前の動物なんだなと。

 

ですので、こちらに依存してくることも、ひとりになることが不安になることも当たり前なことと捉えています。

 

ですが、人間が犬を飼うと、ほとんどの場合“留守番”という“ひとりの時間”が出てきてしまいます。このひとりの時間を不安にさせないために、普段一緒に居る時間の過ごし方に少し気をつけなければいけない子もいます。

 

ハウスを活用しよう

柴犬

Karo Sweden/shutterstock

相談者さんの柴ちゃんの場合、お風呂やトイレなどもついてくるということですので、そのときについて来させないようにハウスのコマンドを使ってやめさせましょう。

 

そのほうが、愛柴が不安な気持ちと向き合う時間が増え、分離不安が改善するスピードが上がると思います。

 

“ハウス=愛柴にとって安心できる場所、落ち着ける場所”を作ってあげることだと思ってください。

 

普段、愛柴が広い範囲でフリーで過ごしている場合、「分離不安」の程度が少し高い子では、ひとりになったとき余計に不安になることがあります。

 

愛柴にとって程よい広さ、程よい飼主との距離感を保てるよう、日常生活でもハウスを使いながら過ごすと良いかもしれません。

 

まったくフリーの状態で犬と人との良い距離感を取ろうと思うと、大概のオーナーさんはプロの細かいアドバイスが必要になるでしょう。

 

犬に対してしつけやトレーニングをしている時、愛犬に「寂しそう」「かわいそう」などの感情を抱くことが誰でもあると思いますが、もし「ハウスさせるなんて可哀想」と思うんであれば、その気持ちは捨ててください。ハウス=犬が落ち着ける場所ということを理解してください。

 

とりあえずこの相談者さんの柴ちゃんは、お家にオーナーさんがいる時もハウスでストレスなく過ごせることを目標にしてみると良いかなと思います。

 

ハウスができないのであればハウスのトレーニングから始めてくださいね。

 

その場しのぎの対処ではダメ

柴犬

Christine Ostrikow/shutterstock

また、息子さんが家を出たとのことですが、このように成犬になってから環境が変わることで、不安な傾向が強く出てくる場合も多いです。

 

もしかすると今までも、留守番のとき、ひとりのとき、似た様な状況下になれば吠えていたかもしれません。

 

それに飼主さんが気づいてなかっただけで、生活が変わったことで、“留守番で吠える”という行為が浮き出て目立つようになってしまった可能性があります。

 

犬の“吠え”には意味があります。愛犬家であれば大概「いま、なぜ吠えているのか?」がわかると思います。

 

しかし、その“なぜ”がわかっても、対応が「吠えることを止めさせる」という目的だけで動いてしまうと、吠えて欲しくない飼主さんの要望とは違う犬に育ってしまう可能性が上がります。

 

なぜなら、根本的な問題を解決していないからです。

 

その時だけ吠えを解消するのではなく、一度この先もずっと続く「自分の犬とのこれからの生活」をできる限り想像してみてください。

 

引っ越し、転勤、結婚、離婚、出産、入院、災害などいろいろなことが犬との生活の間に起こります。今回のケースの場合は、息子さんが独立したことですね。

 

このような生活の変化があったとき、一時的な問題の解消ではなく「平気にしておかなくてはならないこと」がでてきます。

 

留守番やホテルに預けるなど、ひとりの時間を過ごすことが、“平気にすべきこと”の最も代表的なことでしょう。

 

「可哀想だから、なるだけ留守番をさせない」「吠えるから、いつもそばにいる」のではなく、「ひとりで留守番をしても平気」なメンタルを育てておくほうが、よっぽど犬にとっては幸せです。

 

愛柴がしばらく一人で過ごしてもらわないといけない状況は必ず出てきますので、いざその時が来ても大丈夫なように、普段からハウスを練習しておくことこそ、愛柴のストレスを最小限に抑えてあげられる方法なのです。

 

お散歩の質を上げよう

柴犬

Akanemaru/shutterstock

お留守番のときに鳴いてしまうのは、運動量が足りてなくてエネルギーが余っているためかもしれません。ぐっすり寝てオーナーさんの帰りを待つということができないんです。

 

3歳ですので運動量と刺激もそれなりに必要です。朝・夕のお散歩は必ず行った方が良いと思います。

 

散歩の質を上げることも大切です。頭を使わせたり、気を使わせたり。

 

ただただ歩くのではなくイチちゃんが「あー楽しかった」って思える様なお散歩を飼主さんのできる範囲で頑張ってください。

 

頭を使うことをすると、頭の中に選択肢が増えます。選択肢が増えると、感情の種類が豊富になります。
 
ワクワクしたり、我慢したり、我慢したら爆発したり。
 
犬は好き勝手やっていても頭は使いますが、人間社会という環境下で起きることは野生で生きるよりそれほど種類が多くないので、ある程度予想できてしまい、頭も大した使わなくなってしまいます。
 
人間社会では、人がタイミングを与えてあげることでしか、犬は本領を発揮させることができません。人間が、犬が頭を使えるよう色々なことを教えてあげると、楽しさの質があがります。
 
犬が頭を使うことはいろいろありますが、簡単な例として、散歩の途中で走ることも入れたり、コースを変えたりするのが良いと思います。
 
また、お座り、伏せ、待て、おいでを組み合わせてオーナーさんと戯れたりするのもよいですね。
 
いまの散歩がもし、オーナーさんにとっては排泄目的なら、その考えを“お散歩は二人で楽しむのもの”と意識を変えてください。
 
お散歩中のコマンドや、オーナーの目を見ながら歩くなど、できる事が増えればお散歩の質をもっと上げる事ができます。散歩のやり方はトレーナーさんなどに教わるのも良いかと思います。
 
基本お散歩は「飼主と犬の関係作り」と「遊び」です。行儀良く歩くことよりも、お散歩中に言うことを聞くことよりも、先ずは「楽しさ」が大切ですよ。

 

吠えていても無視して

柴犬

mannpuku/shutterstock

鳴き続ける事への対処ですが、今の状態であれば基本は放っておくしかありません。

 

「あまりにもひどいときは母が二階に来て少し遊んでいるみたいです」とありますが、“吠えると1階からお母さんが駆けつけてくれる”、つまり吠えることで柴ちゃんの望んでいる方向へ状態がチェンジしているのであれば、尚更吠えが強化されてしまいます。

 

犬の要求は応えれば応えるほど、要求するタイミングも増えますし、要求は通るものと思う気持ちが強くなります。

 

吠えても応えてしまわぬ様、お母様と協力し合う必要があるかと思います。

 

出かけるときもハウスをさせてから

柴犬

Meeh/shutterstock

留守番の際、お家から出て行く時の“出方”については、声を掛けた方が落ち着く子もいますし、スッとでて行ったほうが良い子もいます。

 

この柴ちゃんがどちらのタイプであっても、中途半端にならないように徹底して行ってください。

 

声を掛ける時は雰囲気や声のトーンも大事。スッと出て行く時は目も合わせず、自然に出て行く事が大切です。

 

ハウスができる場合、出るときに声を掛ける、掛けないにかかわらず、ハウスに入れてから行うと上手くいくと思います。

 

自分の柴はどちらが合っているのか、オーナーさんが試してみてください。

 

短時間のお留守番から練習する方法がありますが、分離不安が強いと1秒でも無理な場合があります。

 

そういう子がもし短時間から練習する場合はト、レーナーさんやプロの方と一緒に行った方が良いでしょう。

 

お留守番の吠えは近所迷惑になるなど、環境によっては相当悩みの種ですよね。上手くできない場合はお近くのプロの方にアドバイスを貰いながらトレーニングした方が早く改善されるので、ぜひプロに相談を。

 

お留守番の時には、オーナーは何もする事ができません。お家にいる時に犬とどう過ごしているのかが、分離不安を解決するポイントです。

 

ぜひ普段の生活を見直して、犬も人もラクなお留守番を目指してくださいませ。

 

小野洋平 PROFILE

『inu-house』代表。

通信のベンチャー企業に勤務後、カナダに渡りドッグトレーニングを学ぶ。カナダでは、いきなり家庭犬のトレーニングを行う現場で問題犬と呼ばれている犬たちに囲まれての修行。帰国後、介助犬育成と家庭犬トレーニングのケイナイン・ファミリーを立ち上げるが、日本人の犬の考え方や家庭犬の在り方に疑問を抱き、家庭犬トレーニングを主に行うようになる。日本独特の犬文化を守ることと変えていくことが目標。

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