2019年11月21日7,613 ビュー View

【プロが教える!元気を育てる柴ごはん】#4シニア期のごはん 代謝や消化能力の低下に合わせたフードで長生きを

プレミアムペットフード・ケアの専門店『GREEN DOG』でペットフーディストの資格を持つ犬猫の食事のプロ・山本由能さんに、柴犬の食事について教えていただく連載『プロが教える!元気を育てる柴ごはん』。

今回はシニア期の食事についてお伝えします。シニア期といっても、8歳から11歳までの高齢期と、12歳以降の後期高齢期では与えるべきごはんが違うので要注意です!

年齢とともに衰える“体を整える力”

柴犬

MitchyPQ/shutterstock

愛柴も私たちも動物にはもともと持って生まれた「体を整える力」というものがあります。

 

たとえば環境が変化してもそれに合わせて体を調整したり、悪いウィルスに抵抗する力のこと。これが年齢とともに衰えてくるため、さまざまな症状が出てくるのです。

 

ですが、そこをカバーできるのが食事。栄養の過不足を調整するだけでも健康に導くことができるシンプルなケアです。

 

愛柴の体が変わっていくことを理解し、適切なフードを選べるようになると健康のお悩みを減らすことができます。

 

今回は、シンプルながら、とっても大切な食事のポイントについてお伝えします。

 

シニア期を迎えた愛柴はもちろんのこと、シニア期までまだまだの愛柴のためにも今からぜひ知っておいてくださいね。

 

シニア期の体の変化とフードの選び方

柴犬

MitchyPQ/shutterstock

多くの犬種と同じく、柴犬の老齢期はシニア期、ハイシニア期と大きく2つのステージがあります。

 

■シニア期(8歳から11歳)

<体の傾向>

太りやすい。

 

<原因>

老化により栄養の代謝効率が悪くなってくる、運動量の減少、でも食欲は落ちないということで、栄養が余っている状態です。

 

<対処法>

必要な栄養はしっかり摂りつつカロリーは控えめになっているフードを選びましょう。

 

愛柴が少しぐらい太っていても、ふっくらとして可愛いと思いがちですが、栄養が余っているということはこれらを処理する肝臓や膵臓などの内臓に負担がかかっているということです。

 

負担が続き臓器が傷んでしまうと大変。

 

また、老化現象として筋肉量も落ちるため、関節を傷めやすくなります。しっかり体重管理を行いましょう。

 

<シニア期におすすめのフード>

(1)太りやすくなったのでカロリーを控える必要がある場合

脂質を比較的低くしてカロリーを抑えたシニア犬用フード。

  • ナウ フレッシュ グレインフリー スモールブリード シニア&ウェイトマネジメント

    ナウ フレッシュ グレインフリー スモールブリード シニア&ウェイトマネジメント

    健康を維持する上で大切なタンパク質はしっかり摂りながら、低脂肪を実現した低カロリーフード。

  • アカナ シニアドッグ

    アカナ シニアドッグ

    低GI&高タンパク質でシニア犬の健康をサポート

  • Yum Yum Yum!シニア&ライト チキン ドライタイプ

    Yum Yum Yum!シニア&ライト チキン ドライタイプ

    国産若鶏ささみ使用で低脂肪・高タンパク質に仕上げたドライフード。

 

(2)本格的にダイエットが必要な場合

低脂質、低カロリーで体重を落とすためのダイエット用フード。血糖値や満腹感にも配慮しています。

  • セラピューティックフォーミュラ「レジーム」

    セラピューティックフォーミュラ「レジーム」

    最新の臨床栄養学に基づいて、日本と米国の獣医師が共同で開発した新しい食事療法食。

  • ウェイトコントロールアクティブ 体重・血糖値ケア(小粒)

    ウェイトコントロールアクティブ 体重・血糖値ケア(小粒)

    減量を必要とするパートナー(愛 犬)や高脂血症に悩むパートナーのために、脂肪を制限しカロリーを抑えた療法食。脂肪を抑える代わりにオメガ3脂肪酸を増量しています。

  • ファットドッグス ドライドッグフォーミュラ

    ファットドッグス ドライドッグフォーミュラ

    ダイエットが必要なパートナー(愛 犬)のために開発された低カロリーのドライフード。

 

■ハイシニア期(12歳以降)

<体の傾向>

痩せやすい。

 

<原因>

栄養の消化吸収が難しくなり、筋肉、脂肪ともに減ってくるため。

 

<対処法>

必要な栄養を吸収しやすいフードを選びましょう。

 

ハイシニア用は消化吸収に配慮しています。胃腸のトラブルの心配もあるようなら胃腸ケアフードのほうが合うかもしれません。

 

現在与えているフードを変更したくない場合は、消化を助ける消化酵素、または腸の健康のためのサプリメントを混ぜて与えることもおすすめです。

 

<ハイシニア期におすすめのフード>

(1)痩せ気味になってきた場合

低脂質かつ消化吸収しやすい素材で作られたハイシニア用フード。

  • Natural Harvest シニア用食事療法食 「シニアサポート」

    Natural Harvest シニア用食事療法食 「シニアサポート」

    高度な臨床栄養学に基づいて日本と米国の獣医師がハイシニア用に開発した食事療法食。 10歳を超えたシニア犬に。

 

 

(2)栄養不足や胃腸の不調がみられる場合

下痢・嘔吐など胃腸の症状にも配慮した胃腸ケア用フード。

  • インテスティナルアクティブ 胃腸ケア

    インテスティナルアクティブ 胃腸ケア

    下痢・便秘や胃腸トラブル、消化不良に悩むパートナー(愛 犬)のために。胃腸の健康に配慮して、AFSタブレットに乳酸菌・オリゴ糖とフィトケミカルを配合。

 

 

※いずれのフードも総合栄養食なので、成犬期からでも与えることができます。

 

■シニア期、ハイシニア期のお腹ケア(サプリメント)

 (1)胃が弱くなったかな 

軟便・食欲不振・未消化の嘔吐、がみられる場合

タンパク質、脂質、糖質を分解する成分が配合されています。

 

(2)腸の健康が気になる

軟便・下痢、便の臭いが強い、おなら、などがみられる場合

腸内環境の健康維持に配慮した成分が配合されています。

  • 乳酸菌生成エキス コスモスラクト

    乳酸菌生成エキス コスモスラクト

    獣医療のなかでも話題の「バイオジェニックス」に基づいた液体サプリメント。乳酸菌などよりもストレートに“腸内細菌叢(さいきんそう)”を整えて、おなかにとって最適なバランスを維持します。

 

※体調の不調がみられた場合は、まずは獣医師の診断を受けましょう。

はじめて試すフードやサプリメントについては、良いものであっても愛柴の体質に合うかどうかは与えてみないとわかりません。最初は少量ずつ与えて便の状態などを観察してくださいね。

 

水分不足は寿命を縮める可能性も! 柴犬にとっての「水」とは

柴犬

mannpuku/shutterstock

 

体内の水分が不足することは、老化を早め、心臓・脳・腎臓などに悪影響が起こります。

 

なぜなら、水分不足だと血液量が減ったり血液自体の粘性が高くなることで、血流が鈍くなります。

 

血流が鈍くなると血液を送るために心臓に負担がかかる状態になり、体は血圧をあげます。

 

この状態は、毛細血管(細かく細い血管)が多い脳や腎臓を傷つけてしまうのです。

 

愛柴は水を積極的に飲んでくれていますか? 特にシニア期には喉の渇きに鈍感になるため、積極的に水を飲むことが少なくなります。

 

認知症や心臓疾患の予防のためにも工夫して水分をしっかり摂ってもらいたいですね。

 

シニア期の愛柴におすすめのちょい足しレシピ

肉や野菜、果物といった食べ物そのものに含まれている水分は体にとって利用しやすい水分です。

 

また、食材そのものに含まれる栄養素には、水分だけでなく体の機能に役立つものが豊富。

いつものフードにちょこっと足して、健康をサポートしましょう!

 

<おすすめの素材>

野菜

photobeps/shutterstock

緑黄色野菜

小松菜、アスパラ、かぼちゃ、ブロッコリー、パプリカなど色とりどりの野菜には、細胞の老化を遅らせる(酸化を防ぐ)栄養素が含まれています。

肉・魚

鶏のささみや胸肉、白身魚(タラ、カレイ、ヒラメ、鯛、鮭など)は、低脂肪で腎臓に負担が少ない良質なタンパク質です。

オイル

サーモンオイル、クリルオイルには、脳や目、血流のサポートになる栄養素が含まれています。ただし、脂質が苦手なパートナーも多いので与える場合はごく少量から試しましょう。

 

<ちょい足しレシピ>

年齢を重ねた柴犬には、上の3種の食材を「ただ足す」だけではNG。以下のルールを守って。

野菜:ペースト状にする

野菜は刻んでから茹でます。灰汁を除いた茹で汁ごとミキサーでペースト状にするのがおすすめ。もちろん、生で食べ慣れているものはそのまま続けても良いでしょう。

肉・魚

野菜と一緒にペースト状、食べられる場合は食べられる大きさに切って茹でます。もしくは野菜と一緒に茹でてペーストにしても良いでしょう。

 

<与える量>

野菜と肉(もしくは魚)が同量ずつくらい(20gずつなど)+茹で汁80〜150ml(1食分として)フードに混ぜて与えてください。

※太っている場合は、フードを10gから15g程度減らして与えてください。

オイル

食べさせる直前に加えます。加熱・冷凍は避けましょう。脂質が苦手であれば与える必要はありません。

 

ペーストを作り置きして小分け冷凍すると毎日の手間は楽になります。ドライフードへのトッピングは野菜のペーストのみでもOK。

 

肉は、肉のみで与えるよりもできるだけ野菜と一緒に与えるほうがおすすめです。

 

<ウェットフードの利用>

ペーストを作れない場合は、ドライフードより水分が豊富なウェットフードを利用すると良いでしょう。

 

肉と野菜がまんべんなく摂れるものがおすすめです。そのままでもいいですが、少しお湯で溶いて水分を増やしてから与えると、さらに水分が摂れて◎。

 

※与える量の目安は、ドライフードを10g減らす代わりにウェットフードを20gほどです。

ウェットフードは開封時に小分けして冷凍しておくと良いでしょう。

  • ヘルマン チキン・ディッシュ

    ヘルマン チキン・ディッシュ

    あらゆる添加物不使用、ヒューマングレードのウェットフード。

  • ヘルマン サーモン・ディッシュ ハートフィット(心臓)

    ヘルマン サーモン・ディッシュ ハートフィット(心臓)

    EPA・DHAを含む北欧産サーモン、有機ホーソンベリーや有機ダンデライオンなどのハーブを配合。

 

まとめ

柴犬

yuzu/shutterstock

今回は、シニア期の食事のポイントについてお伝えしました。

 

愛柴がいつもそばにいることが当たり前の毎日。でも、私たちの4倍ものスピードで生きていることを意識して変化に気づいてあげてください

 

昨年の愛柴と今年の愛柴が違っていて当然。同じ状態にしようとすると無理が生じます。

年齢なりの健やかさを目指してケアをしてあげることが大切です。

 

きっと年齢を重ねていく愛柴の変化に「愛しさ」が大きくなっていくでしょう。

 

健やかな日々は、ちょっとした食事の工夫で延ばすことができます。もっともっと食事のことを楽しんでみてくださいね。

 

GREEN DOGとは

世界中から厳選してセレクトした愛犬のためのプレミアムペットフード・ケアの専門店。通販店だけでなく、関東・関西に5店舗、実店舗を構えています。

 

フード選びや食事内容に困ったら、お気軽にお問合せください。

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執筆者

GREEN DOG

ペットフーディスト

山本 由能

 

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