2020年4月27日2,097 ビュー View

【柴犬お悩み解決NOTE】♯16 ごはんを食べたあと荒れ狂います【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】

第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。

今回は、食事をすませたとたん、犬が変わったように凶暴になり人に噛み付くというお悩みです。この連載で何度かお伝えしてますが、“噛みつき”は、問題行動の中でもかなり解決が困難な問題。果たしてどう対応すべきなのでしょうか……!?

今回のお悩み:ごはんを食べた後、荒れ狂って人に噛みつきます。

6歳・男のコ

ごはんを食べた後、犬が変わった様に荒れ狂います。

 

歯をむき出して吠えて人に襲いかかり噛みつきます。

 

食後1〜2時間は荒れが続くので、その間家族は見えない場所に避難しています。

 

怯まずそばにいると、いっけん大人しくなりますが、今度は離れる素振りをすると噛もうとします。

 

2歳で飼い主に捨てられ、保健所・保護団体を経て我が家にきました。

 

ケージに入れられたり、家族が離れていくこと(例えば夫婦で散歩中に一人が離れるなど)に対して、強い不安感を抱く様子です。

フードガードはプロの介入が必要

柴犬

taa22/shutterstock

 

これはフードガード(食べ物への執着性が高い)、フードアグレッション(食べ物を守りたくて攻撃性が出る)と言われる問題行動です。

 

この問題行動は、柴犬に出た場合、とても深刻になります。

 

ですので、結論から言うと、プロのトレーナーであり、かつフードガード、フードアグレッションを取り扱った経験が豊富なプロにお願いしてください

 

ネットで得た中途半端な知識で、自分だけで解決しようとすれば、上手くいかないばかりか悪化させる可能性すらあります。

 

もしオーナーさんに、噛み付く愛柴への恐怖心や恐れがあるなら、トレーナーに犬を預けたほうがいいでしょう。

 

なぜなら、オーナーさんが恐怖心を持ったままだと、噛み犬のトレーニングをするのは難しいため。

 

犬だけでなく、オーナーさんのメンタルも一緒に改善する必要があります。

 

愛柴をプロに預け、オーナーさん自身が扱えるレベルになるまでトレーニングをしてもらったら、次にオーナーさん自身が学んだり練習をする。

 

このような“犬と共に学んでいく形”がベストだと思います。

 

信頼関係、できてますか? できているかどうかはココをチェック

柴犬

MitchyPQ/shutterstock

 

フードガード、フードアグレッションへの根本的な解決方法とはなりませんが、大前提として、トレーニングやしつけの際、注意して見なくてはいけないことを何点か書きます。

 

・すでに6歳という年齢ですが、お座り、伏せなどの基本的なコマンドをトリーツ無してできますか?

 

・いつでも呼べばオーナーさんの元に来ますか?

 

・オーナーさんと、とても楽しくハードに(相撲やプロレスごっこみたく)ジャレあうことができますか?

 

お座りや伏せは「必要ない」と考えてる方も多いですが、それは間違い。

 

人間社会で暮らす犬に、ある程度のルールや我慢を教えるために必要なものだと、私は考えます。

 

ダラダラと退屈な時間を過ごすことが多いのが家庭犬です。

 

もし、オーナーさんからの“お座り”という簡単な要求すら受け付けないのであれば、家庭の中で過ごすのがツライ犬になってもおかしくないと思います。

柴犬

MitchyPQ/shutterstock

 

トレーニングをする際は、お座り、伏せは“命令”ではなく、絶対に聞いて欲しい“お願い”だと思って言葉を発してください。

 

もし、簡単なお願いすらあなたの愛柴が聞いてくれないのなら、“あなたと犬との関係”を考え直したり、作り直したりした方がいいと思います。

 

人が求めることを、犬がやってくれること。

 

そしてどんなときも、そのお願いに、愛柴が怯えたり不安になっていないこと。

 

それができていればOKです。

 

「呼び戻し」は信頼のバロメーター。あなたの愛柴は呼べばいつでも来てくれる?

柴犬

Happy monkey/shutterstock

 

いつでも呼べば来るかどうかは“オーナーと犬の関係”が如実に現れるコマンドの一つです。

 

いつでもは本当にいつでもです。

 

食事の最中、寝ているとき、誰かと遊んでいるとき。

 

本来、動物であれば、食事の最中なんて見向きもしないで食べることが正解でしょう。

 

しかし、人と暮らすということは、元々持っている本能とは違う方向に向かわせること。

 

その方向を犬が受け入れやすいよう導いたり、理解してもらうのがトレーニングです。

 

ぜひ、いつでも呼び戻しができるくらいの強い信頼関係を犬と構築してください。

 

人への恐怖心がどれくらいかを「じゃれ合い」で測る

柴犬

Paparacy/shutterstock

 

犬と人との戯れはとても大切です。

 

多少荒っぽくじゃれてきても、人と楽しく遊べるのであれば、人への信頼度や恐怖心はある程度クリアできているかなと思います。

 

犬によっては、遊びの中で本気で切れてくる子もいます。

 

だからダメと言うわけではありません。

 

「そういう子なんだな」と、まずはこちらが捉えることが肝心です。

 

そして、「何をすると怒るのか?」を観察し、苦手なもの、嫌いなもの、怖がっているものを理解しましょう。

 

まずは、どのくらいじゃれ合うことができるのかを試してみてください。

 

中には、何やっても怒らない犬もいますが、それが満点ということでもありません。

 

あくまで、“どの程度なのか”を探り、我が子を理解しましょう。

 

人に守ってもらえることを知らない犬に安心感を与えるには

柴犬

WAYHOME studio/shutterstock

 

相談内容に「ケージに入れられたり、家族が離れていくこと(例えば夫婦で散歩中に一人が離れるなど)に対して、強い不安感を抱く様子です」とありますが、不安感、恐怖心のある犬になってしまう流れを簡単に説明します。

 

(1)すごく嫌なこと、不安なことがある。人に守ってもらえなかったので、安心感を知らない。

 

→いつも安心できない。

 

→安心できる環境を求める(場所だけではなく、人間やまわりの動物など全てを含めます)。

 

→与えられた環境の中で、安心できる環境を自分で見つける。

 

→不安は残る。

 

→安心できる環境に依存する。

 

→環境が変わる。

 

→不安が強く出る。

 

(2)すごく嫌なこと、不安なことがある。人に守ってもらえず、安心感を感じたことがない。

 

→ちょっと嫌なこと、不安なことがあると唸る・吠える。

 

→唸る・吠えることで嫌な状況が解決した。

 

→自分で解決できる方法は唸る・吠えることだと思ってしまう。

 

(1)の流れですと、ふだんの行動に不安が強く出てくる可能性が強いです。

 

(2)の場合は不安が根っこにある“要求の強い犬”になる可能性が高いです。

 

どちらにしても、犬に安心感を与えるには、オーナーさん自身の生活全般、犬に接する態度など、全てを見直す必要が出てきます。

 

問題ばかりに目が行きがちですが、全ては繋がっています。

 

保護犬ですので、これまでのことを正確に把握することは難しいと思いますが、現状から不安の傾向を見極めてくれるのがプロです。

 

ぜひ、信頼できるドッグトレーナーと一緒に、トレーニングに取り組んでみてください。

 

小野洋平 PROFILE

『inu-house』代表。

通信のベンチャー企業に勤務後、カナダに渡りドッグトレーニングを学ぶ。カナダでは、いきなり家庭犬のトレーニングを行う現場で問題犬と呼ばれている犬たちに囲まれての修行。帰国後、介助犬育成と家庭犬トレーニングのケイナイン・ファミリーを立ち上げるが、日本人の犬の考え方や家庭犬の在り方に疑問を抱き、家庭犬トレーニングを主に行うようになる。日本独特の犬文化を守ることと変えていくことが目標。

 

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