【柴犬お悩み解決NOTE】♯19 ウンチをパクッ!食糞を止めさせたい【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】
第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。
今月のお悩みは、自分のウンチを食べてしまう“食糞”行動について。同じお悩みを持つオーナーさん必見です!
目次
今月のお悩み:食糞をします。どうすれば止めさせられるでしょうか?
3歳・女の子
うちの子は、家でウンチをしたとき、必ずと言ってよいほど食糞してしまいます。
「ダメ~!」と叫んで近づけば、焦って食べてしまう。
大声を出すのがよくないと思い、ウンチをした後ちょっと間をおいて静かに近づいてみると、うちの子もそっとウンチに近づいて食べます。
どうしたらやめさせられるでしょうか?
ちなみに外でもウンチをしますが、散歩中は食糞しません。
食糞を改善するには、まずは原因を考える

Israel Sebastian/shutterstock
食糞は最初発見した時は大体の飼い主さんは驚いてしまいますよね。
食糞の改善は、“何が原因で食糞しているのか?”を知るところから始まります。
しかし、その原因は本当に様々。
挙げるとキリがありませんので、webで“食糞 原因”などで検索してみてください。たくさんの原因をまとめられた記事などが多数ヒットすると思います。
食糞に限らず、いついかなるときも大声で叱るのは絶対NG!

Thürler Baptiste/shutterstock
次に、今回のご質問で気になったところがあります。
<「ダメ〜!」と叫んで近づけば焦って食べるし、大声を出すのがよくないと思い>
とありますが、なぜダメなのかをオーナーさんがきちんと理解してますか?
しつけやトレーニング全般に言えることですが、なぜそれをするのか? なぜダメなのか?
それをきちんとオーナーさんが理解した上で実行するのがとても大切です。
この場合のダメな理由は、大きな声を出すと“飲み込む術”を覚えてしまうから。
食糞に限らず、拾い食いなどで異物を口に入れた際、オーナーさんに大声を出されるとすぐにゴクッと飲み込み、大事になるケースも。
ほとんどの場合、犬がびっくりして、もしくは「取られまい!」と思うために飲み込んでしまうのですが、これはその犬の性格、オーナーさんとの関係性などが影響しています。
どちらにしても、大きな声はよろしくないのです。
また、飼い主さんは怒っているつもりはなくても、食糞や拾い食いなどを発見すると、「きゃー!」とか「うわっ!」などの悲鳴や叫び声のような声を出すことがありますよね。
このような声に、犬が驚いたり恐怖や不安を感じてしまえば、やはり飲み込む術を覚えてしまう場合があります。
ですので、いかなるときも落ち着いて対応してくださいませ。
たった1度のできごとが、柴犬にずっと影響を与えることもある

Jeremy-Stenuit/shutterstock
残念ながら相談者さんは、大きな声を出してしまっていたようですね。
ここも大切なポイントになりますが、オーナーさんから相談を受けるとき、「1回だけ」や「なるべく」「時々」などと頻度を気にされる方が多いのですが、これは無意味。
なぜなら、たったの“1回”でも、オーナーさんがやったことが、犬にとって強く印象に残ることは珍しくないからです。
食糞でいうと、犬は“ご飯やおやつを食べる行為”は、今まで普通にしていたはずです。
しかし、目の前にあるウンチを口に入れてみようと思った途端、もしくは入れた瞬間、「きゃー!」「コラー!」と、すごい勢いででかい動物(オーナーさん)が近づいてきて、口に手を突っ込んできたり、抱き上げたり、水を口にバチャバチャ当てられたり…。
いつも通りに目の前の気になるものを口に入れようとしたら、急にすごいことが起きてしまった。
これでは、1度きりでも印象は強くなってしまいがち。
食べてみたい、遊んでみたいと思ってウンチに興味が出ているのであれば、この後も食糞チャレンジは続きます。
もし犬がこの出来事を「ウンチをしたら怖い事が起きる」と捉えたならば、オーナーさんの前でウンチをしなくなるか、早くウンチを食べて無くそうと考えてしまうかもしれません。
ありとあらゆる可能性について考える

Jay Takayama/shutterstock
原因を色々と考察してみましたが、上記ふたつはどちらも的外れの可能性もあります。
なぜなら、犬の頭の中はそんなに単純ではないのです。
犬の考えていることを私たちが想像するとき、1つしか想像しない人が多いですが、それはNG。
問題行動を改善したいなら、たくさんの可能性を考え、ひとつずつ検証していかないといけません。
最初にも書きましたが、食糞の早期改善は、“原因を知る”ことです。
・大声を出したのが影響しているかも?
・外で食糞しないのは、ウンチ以外に興味のあるものがまわりにたくさんあるから?
などなど、原因を知るために、たくさんの可能性について考えてみてください。
いろんな見方をすれば、犬を知る良いきっかけになり、愛柴との生活がもっと素晴らしく楽しいものに変化するはずです。
「マテ」がしっかりできると食糞を止められる可能性大

dreamnikon/shutterstock
最後に、ひとつ有意義な解決方法を。
基本的なトレーニングの“マテ”がしっかりできるようになると、食糞を止められるタイミングが増えてくるでしょう。
もし食糞のときにマテを言ってみてできなければ、練習を積んでレベルアップに挑戦してみてください。
練習で必ず守って欲しいのが、大声で言わない、連呼しないこと。
パピーの頃はご飯やおやつでマテを教えてください。
ワンクッションを置くという感じでOK。
意地悪く、長くマテさせる必要はありません。
犬の成長と練習の程度にもよりますが、少しずつ時間を長くしたり、飼い主さんとの距離を取っていきレベルを上げていきます。
練習は必ずリードをつけて

Dilok Klaisataporn/shutterstock
練習をするとき、「あー食べられちゃったー」という事態は絶対に避けてほしいので、必ずリードをつけましょう。
リードはけして強く引かないこと。
食べられないように制御するのが目的なので、犬がごはんを食べそうになったら、少し張る程度でOKです。
ただし張りっぱなしはNG。必ず緩めてください。
リードの使い方は気をつけなければいけないところが多いので、一度プロの方の指導を受けると良いでしょう。
プロの方と一緒に練習すのであれば、リードがなくても細かいステップを踏んで徐々に強化していけます。
解除のコマンドは、オーナーがテンションを上げすぎないこと

UvGroup/柴犬
また、もうひとつ注意してほしいことがあります。
それは、オーナさんが大声を出して「オッケーイ!」などと言わないこと。
解除の言葉は「オッケー」でも「いいよ」でも何でもいいのですが、あくまでもテンションちょい上げでお願いします。
大きな声で「マテ」、「オッケー」を言わなくてもできるようになれば、食糞防止でも、ほかの色々なシーンでも役に立ちます。
いざというときには、命すら守ってくれることも。
ですので、今は何も問題を感じていなくても、マテや基本的なトレーニングはしっかりやっておくことをお勧めします。
お座り、伏せ、マテ、おいで。
この基本的な4つのコマンドが“きちんと”出来ているだけでも、犬との生活の色々な場面で犬のストレスを減らすことができます。
何歳からでも覚えることは可能ですので、“大きい声”や“犬が楽しくない練習”を避けてぜひ取り組んでみてくださいませ。
小野洋平 PROFILE
『inu-house』
通信のベンチャー企業に勤務後、
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