2020年7月13日2,273 ビュー View

【柴犬お悩み解決NOTE】♯21 最近、ドッグランで他の子と上手に遊べなくなりました【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】

第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。

今月のお悩みは、ドッグランでの遊び方について。最近になってほかの子にマウントするようになったり、ガウガウしてしまうようになったそう。果たしてその理由とは!?

今月のお悩み:パピーのころは上手に遊べたのに、最近はドッグランで他の子にマウントしたり攻撃的になりました

1歳・女の子

1歳3ヶ月の女の子です。7ヶ月ぐらいから社会化のためにドッグランに連れて行っています。

 

人好きで撫でられても怒らず、ドッグランの店長さんやオーナーさんには「こんなに上手く遊べる柴犬はあんまりいない」と言われていた子です。

 

しかし最近になって他のワンコちゃん達にマウントすることが多くなり、体の大きな子ともガウガウやることが多くなりました。

 

見ているとやたらとしつこく、目の前に立ちはだかるような行動をして怒られるようなことがあります。

 

かなりの至近距離で他の犬の顔まわりをくんくんしたり、走っているときも、時々体当たりします。

 

「他の子に何かしてしまわないか」と私自身が警戒するあまり、その緊張が犬に伝わってしまってその行動を誘発してるのかもしれないと思い、今ではドッグランなのにリードを外すことにためらってしまいます。

 

これから先も、ドッグランで楽しく仲良く他の子と遊んでほしいんですが、どうしたらいいでしょうか?

 

柴犬は「猟犬」。愛玩犬とはまったく違う性質だと理解を

柴犬

Alexander-rdshutterstock

 

犬の年齢が大きくなるにつれ、他の犬との関わりが難しくなるのはよくお聞きするお悩みです。

 

特に和犬では多いですね。それは、和犬と洋犬の特徴や性質の違いからくるもので、仕方ない部分かもしれません。

 

和犬と洋犬では、作られた目的や元々持っている特徴が大きく違います。

 

柴犬は簡単に言うと猟犬や番犬。

 

猟においては、自分の判断で動けるほどの自立心や行動力がある犬種です。

 

しかも、この血が遥か昔から今の時代まで紡がれています。

柴犬

Lichtflut/shutterstock

 

最近になって、洋犬の様な飼い方、欧米の様な飼い方が主流になり、洋犬と同じようなことが和犬に望まれるようになったと思います。

 

しかし、その血は全くの別物です。

 

愛玩犬と猟犬が同じように育つことの方が、難しいのです。

 

ですので、洋犬のような性格や行動を柴犬に求めてしまうのは、ちょっと可哀想だと思います。

 

まずはオーナーさんが、和犬という犬種の特徴をよく知ってくださいね。

 

そうすれば、犬に望むことが変わってくるかもしれません。すると、いま悩んでいる行動への捉え方も、変わってくる可能性もあります。

 

このことを踏まえて、アドバイスをお聞きいただければと思います。

 

社会化の意味は、「他の犬と遊ばないこと」でもある

柴犬と黒ラブ

acceptphoto/shutterstock

 

まずは犬の社会化について、“遊ぶ”という視点でもう一度考えてみましょう。

 

社会化と聞くと大体の人が、遊べることだけを考えてしまいます。

 

しかし、社会化には“遊ばない”という選択をすることも含まれます。

 

遊ぶ相手のことを冷静に見て、感じることができる力。相手が遊ぶ気なのか、そうじゃないのか。

 

これは、ドッグランデビューされたという月齢7ヶ月よりも、もっと前から他の犬と遊び、喧嘩になったり、良い先輩犬に怒られたりして学ぶこと。

 

自分がまだ弱い時期に、犬には学ぶべきことがたくさんあるんです。

 

しかし7ヶ月くらいになると、本気で怒ったときには他の犬が怯む可能性が高くなったり、自分が叱られる立場にならない場合が多くなります。

柴犬

Alister G Jupp/shutterstock

 

さらに1歳を超えると、柴犬自身のメンタル面や性格、考え方もかなり固まってきます。

 

ですので、成犬が喧嘩しても、そこから他の子との関わり合いを学べるかというと、そうとも限りません。

 

人間で考えてみてください。

 

大人になって他人から怒られても、その人が相当な人格者や尊敬する相手ではない限り、自分の非を認めることはできませんよね? それと一緒です。

 

つまり、7ヶ月くらいの時は上手く遊べていて、1歳3ヶ月で上手く遊べなくなったのは、ほとんどの場合、子犬から成犬に成長したからだと思います。

 

犬を見る度に興奮し、遊びをふっかけるのは「社会化不足」

柴犬

Rin Seiko/shutterstock

 

人間の子供が、小さいころは老若男女分け隔てなく上手に遊べていたのに、成長するにつれて他人とのコミュニケーションが苦手になったり、異性とは遊べなくなるように、犬にも大人になるにつれてできなくなることはたくさんあります。

 

にもかかわらず、多くのオーナーさんは、犬を人間の子供のように見てしまう“疑子供化”の視点で犬を見てしまいます。

 

これが、オーナーさんが「他の子と上手に遊ばなくなってしまうと嫌だ」という思いを生む原因と言えるでしょう。

 

しかし成犬の犬、特に和犬では、大人になるにつれ、子犬のようにじゃれあうことが本当に少なくなっていきます。

 

むしろトレーナーは「ほとんど遊ばないから、社会化が上手にできているね」と見ます。

 

犬を見る度に興奮し、遊びをふっかけているのは、社会化不足の一部として捉えるのです。

 

社会化にかけるべき時間や刺激の種類などは、その子によってさまざま。犬種やその子の持って生まれた個性、環境によって性格が育ちます。

 

“何時間あれをやったから、これができるようになる”というものではありません。

 

社会化をがんばっても、柴らしさは変わらない!?

柴犬

thirawatana phaisalratana/shutterstock

 

最初に周りの人に「こんなに上手に遊べる柴犬」と言われて、期待してしまった部分もあるかと思います。

 

しかし、柴犬は柴犬です。

 

どんなに社会化を頑張っても、そのときのベストを尽くしたとしても、大人になって「他の犬が嫌い!」となる柴犬を、僕は何頭も見てきました。

 

それが柴犬だと思いますし、それが悪いこととも思いません。

 

ちなみに犬が嫌いといっても、散歩中に他の犬を見ただけで吠えたり唸ったりするわけではありませんので、「うちの子はドッグラン以外では、ガウガウしないから当てはまらない」ではないですよ。

 

愛柴にとってドッグランで遊ぶことが「本当に幸せか?」を今一度考えて

柴犬

mannpuku/shutterstock

 

「他の子に何かしてしまうのではないか心配」とありますが、その状態ではドッグランに行かない方が良いでしょう。

 

オーナーさんと犬の関係性が、メールだけではどんな感じかわからないので、本当に犬に緊張が伝わっているかどうかは不明です。

 

ですがもし、今の状態で何かトラブルを起こしてしまった場合、オーナーさんもその子もひどく傷つく可能性が高いと思われます。

 

怪我をさせてしまったとき、愛柴を怒ったり、必要以上にオーナーさんが気落ちしたりすれば、その出来事がオーナーさんにとってネガティブな思い出として、強く印象に残ります。

 

「あはは、やっちゃったねー!」くらいで済む気持ちを持てる人たちと一緒でなければ、ドッグランは避けるべき。

 

とはいえ、怪我をさせたら相手のオーナーさんにはきちんと謝罪してくださいね。

柴犬

Akim Lakeev/shutterstock

 

ドッグランで遊ぶことだけが犬にとって楽しみではありません。

 

オーナーさんと上手に遊ぶことで、ドッグラン以上の楽しみを持っている子もたくさんいます。

 

何より当の犬が、他の犬とからむのを望んでいるのかどうかです。

 

元々持って生まれた犬の性質をちゃんと理解し、成長と共に犬の楽しみが変わっていくということにオーナーさんが気付いてあげてください。

 

そして年齢とともに、今とは違う楽しみを与えたり与えられたりする関係性を作っていってもらいたいと思います。

 

もう一度、柴犬の特徴や特性をプロの方に聞いたり、ネットや本で調べて理解を深めてみてくださいませ。

 

インスタグラムやフェイスブックなどのSNSや、webでの可愛い面白い柴犬情報は「いいところしか」載せていないので、そこと比べたりそこばかり見てもダメですよ。

 

本当は酷い噛みや吠えに悩まされてる場合もありますので。

 

小野洋平 PROFILE

『inu-house』代表。

通信のベンチャー企業に勤務後、カナダに渡りドッグトレーニングを学ぶ。カナダでは、いきなり家庭犬のトレーニングを行う現場で問題犬と呼ばれている犬たちに囲まれての修行。帰国後、介助犬育成と家庭犬トレーニングのケイナイン・ファミリーを立ち上げるが、日本人の犬の考え方や家庭犬の在り方に疑問を抱き、家庭犬トレーニングを主に行うようになる。日本独特の犬文化を守ることと変えていくことが目標。

 

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