2020年10月7日1,623 ビュー View

【柴犬お悩み解決NOTE】♯27 母犬&娘犬の多頭飼い。ひどいケンカばかりで大ケガをしたことも…【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】

第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。

今回のお悩みは、多頭飼いのオーナーさんから寄せられた“実の母娘ながらケンカが絶えない”というもの。

実は多頭飼いでよくある悩みが、この“不仲”です。果たしてその解決策とは!?

今月のお悩み:母犬(5歳)とその娘(2歳)の多頭飼い。大ケガに発展するほどいつもケンカが絶えません

5歳の母&2歳の娘

 

母犬とその娘(2歳)の多頭飼いをしています。

 

以前は母娘で仲良くやってたのですが、いつの頃からか本気でケンカをするようになり、母犬の後ろ足にヒビが入ったことも。

 

そこからさらにケンカが増え、散歩時にもするように。そのため、家の1階と2階で家庭内別居、散歩も別に。

 

しかしこれではいけないと、「あえてケンカをさせ上下の関係を作ろう」と口輪、ハーネス、リードもつけてケンカをさせたら、母犬が下に押さえつけられ、明らかに決着がつきました。

 

にもかかわらず、いつまでも母犬が抵抗、結局ケンカばかりしています。この先どうすれば良いのでしょうか。

 

ケンカはやめさせたほうがいいでしょうか。

 

多頭飼いでは本来、オーナーさんの高いスキルが必要

柴犬

Ekaterina Brusnika/shutterstock

 

今回のケースは、多頭飼いで一番困ってしまうパターンだと思います。

 

家庭犬の場合、群れの調和は犬同士で決まるものではなく、人も大きく影響します。

 

オーナーさんには、1頭で飼っている時とは違う“まとめる”役割が必要になってくるのです。

 

特にこの家のように犬同士がピリピリしている間柄ですと、オーナーさんの介入がかなり大切。

 

とてもセンシティブな気の配り方をしなければいけない場面が数多く出てきます。

 

犬同士の平和を保つには、犬に対しての相当なスキルと経験がないとできませんし、

トレーナーさんに習ってもなかなか身につきません。それほど難しいものなのです。

 

ですので、もし“2頭一緒に過ごしたい”と考えているのであれば、まずはオーナーさんのスキルアップや経験の積み重ね、勉強が必要です。

 

いまのケンカのやり方では解決しない

柴犬

MitchyPQ/shutterstock

 

「あえてケンカをさせ上下の関係を作ろう」と口輪、ハーネス、リードもつけてケンカをさせたら〜、とありますが、口輪、ハーネスなどで犬に怪我をさせないよう配慮をしながらのケンカですので、2頭の間に本当の意味で決着がつくまでケンカができていないと感じます。

 

また、仮に決着がついたとしても、その意味は“群れからの排除”かもしれません。

 

排除が決定しても、負けたほうがオーナーさんのご自宅から出ていくわけにもいかないので、これ以上ケンカをさせる必要はないと思います。

 

オス同士であれば、ケンカをさせて決着させることが有効な場合がありますが、メス同士のケンカは、関係を良好にすることはないと僕は考えています。

 

では、この2頭と暮らしていくにはどうしたらいいか。

 

このケースの場合、オーナーさん、お家の環境、生活の送り方、2頭の性格、どんな時に争うかなど、細かい部分も見てみないと具体的なアドバイスはできませんので、今回は“多頭飼いのポイントと犬の相性”についてお話しします。

 

それぞれの柴とオーナーさんが強い信頼関係を築いて

柴犬

thirawatana phaisalratana/shutterstock

 

多頭飼いの場合、まずは1頭ずつとオーナーさんの関係をしっかり作っておく必要があります。

 

トレーニングやしつけをそれぞれしっかりと行い、その子の特徴やできることを把握してください。お散歩も1頭ずつです。

 

1頭飼いの子と同じくらいオーナーさんと犬が繋がることが目標です。

 

多頭飼いは楽しいこともたくさんありますが、上手くいかなかった時の負担は犬も人も大きいもの。

 

特に柴犬という犬種は攻撃性の高い子が多いので、そんな2頭が揃うと争いが絶えません。

 

基本的な“お座り”、“伏せ”、“待て”、“おいで”と、お散歩時に引っ張らず、オーナーの横を歩く“つけ”は1頭ずつしっかりと練習しましょう。おやつは無しでトレーニングします。

 

これは経験からですが、この5つをしっかりやればやるほど、お散歩くらいなら2頭一緒に行けるようになることが多いです。

 

特に“待て”はポイント。いろんな状況での待てができるように、トレーニングを重ねていください。

 

ただし、これができてもお家の中で2頭を自由にさせて飼うことは難しいと思います。

 

メス同士は最悪!? 性別によってケンカのひどさが変わる

柴犬

MitchyPQ/shutterstock

 

よく「相性が…」という言葉を聞きますが、僕は犬同士が仲良くできるかどうかは相性よりも前に“性別の組み合わせ”で見ます。

 

僕の経験上ですが、組み合わせは以下の4つに分けられます。

 

(1)去勢していないオス同士はケンカしやすいが、勝負が決まるとその後はしつこくない。

 

(2)避妊手術していないメス同士はケンカしにくいが、ケンカする仲になってしまうとしつこく、下手するとどちらかを殺してしまう。

 

(3)去勢済みのオスは大体人気者で、去勢手術、避妊手術の有無に関係なくオス、メスともケンカを起こしづらい。

 

(4)避妊手術済のメス同士はケンカしてもそこまでしつこくない。

 

あくまで目安ですが、知っておくと外で他の犬との絡みがある時、少し役に立つと思います。

 

そして今回の場合はメスとメスのケンカ。

 

避妊手術の有無はメールではわかりませんが、上はあくまで傾向ですので、これに当てはまらない場合もあります。

 

また、柴犬のような猟犬は気性が荒く攻撃性が高い子も多くいますので、手術の有無だけではあまり変わらない場合も多いです。

 

ただしオスの場合は、去勢手術後のほうがトレーニングが入りやすくなる傾向はあります。

 

別居でOKと割り切り、性格が丸くなるシニアになるまで気長に待つことも大切

柴犬

Akim Lakeev/shutterstock

 

しかしどんなにトレーニングやしつけをしても、どうしようもないこともあります。犬同士の仲はその最たるものだと思います。

 

2頭仲良くは理想ですが、当の本人たちが「別に…」、「嫌い」と思っている以上、上手くはいきません。

 

それでも2頭とご家族は暮らしていかなければならないので、別居でも良いと思います。

 

オーナーさんの悩んでいる気持ちやネガティブな感情など、家の中の雰囲気が悪いと、犬にも悪い影響を与えてしまいます。

 

すぐに2頭をどうこうしようと思わず、オーナーさん自身が落ち着いて優しい気持ちで過ごしていたら、犬もシニアになった時に、もしくはそれより前に調和がとれるかもしれません。

 

「うちは仲悪いのよ(笑)」と言えるくらいの雰囲気で過ごしていくことが、人にも犬にも大切かなと思います。

 

小野洋平 PROFILE

『inu-house』代表。

通信のベンチャー企業に勤務後、カナダに渡りドッグトレーニングを学ぶ。カナダでは、いきなり家庭犬のトレーニングを行う現場で問題犬と呼ばれている犬たちに囲まれての修行。帰国後、介助犬育成と家庭犬トレーニングのケイナイン・ファミリーを立ち上げるが、日本人の犬の考え方や家庭犬の在り方に疑問を抱き、家庭犬トレーニングを主に行うようになる。日本独特の犬文化を守ることと変えていくことが目標。

 

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