2021年1月25日8,959 ビュー View

【プロが教える!元気を育てる柴ごはん】#18 年齢とともに衰えるから…シニア期の「腎臓ケア」におすすめのフード&療養食をおいしくする工夫

プレミアムペットフード・ケアの専門店『GREEN DOG』でペットフーディストの資格を持つ犬猫の食事のプロ・山本由能さんに、柴犬の食事について教えていただく連載が『プロが教える!元気を育てる柴ごはん』です。

今回は、特にシニア期になると衰えやすい腎臓の機能を、少しでも長く健やかに維持するための食事についてレクチャーしていただきました。

年齢とともに衰える腎臓

柴犬

Kate Camera/shutterstock

 

みなさんの愛柴は今日もしっかりごはんを食べましたか?

 

若いころは何でも食べてくれたのに、ご長寿さんになると食べなくなることがあります。

 

食べないことが深刻になるのは病気のとき。

 

特にシニア期に多い慢性腎不全では、療法食を食べない、食べてくれるフードが見つからないというお悩みが多いです。

 

年齢とともに腎臓の機能が衰えるのは避けられませんが、食事の工夫により少しでも維持することは期待できます。

 

今回は腎臓の機能が衰えてきたときの食事の工夫についてペットフーディストの山本が説明します。

 

腎臓の働きとの食事ケア

柴犬

thirawatana phaisalratanashutterstock

 

腎臓の大きな仕事の一つを例えるなら“ザルの目”。血液を濾(こ)し、体に必要なものと不要なものに分けます。

 

必要なものは体に再吸収し、不要なもの(老廃物)は尿として体の外に捨てる役割を担っています。

 

腎臓の機能が衰える慢性腎不全は、このザルの目が詰まってきてしまうような状態。

 

血液を濾す機能が落ちると、老廃物がたくさん残るようになるため、血液検査に異常値として出てきます。

 

腎臓の健康を守るためには、食事でのケアがとても大切。

 

腎臓のための食事療法食については、診断により必要な段階から獣医師より処方されますが、療法食がまだ必要ではない段階でも、食事内容には注意が必要です。

 

できるだけ獣医師や犬の食事の専門家に相談して選ぶことをお勧めします。

 

レベル1:療法食は必要ない段階の食事ケア

柴犬

Vorobyeva Valeriashutterstock

 

腎臓が弱ってきたなら早めに療法食に切り替えれば良いと考えがちですが、そうではありません。

 

腎臓の負担になる成分はタンパク質やミネラル類(リン、ナトリウムなど)など、体に必要な栄養素です。

 

療法食はこれらを可能な限り制限した食事。まだ療法食が必要ない段階から自己判断にて与えるのは避けましょう。

 

もちろん、この段階でも腎臓に負担がかかる成分を摂り過ぎないように気をつけるべきです。

 

特にタンパク質、リン、ナトリウムを摂り過ぎていないかを見直しましょう。

 

タンパク質、リンはお肉に多く含まれます。元気で活発な成犬時に選んだフードを与え続けている場合には変更が必要でしょう。

 

おやつにも注意が必要です。

 

肉系のジャーキーや愛柴が好んで食べることが多い小魚(リン、ナトリウムが多い)を毎日与えている場合は控えた方が良いでしょう。

 

<おすすめの参考商品>

▼ドライフード

シニア期に適したタンパク質量を含み、ナトリウムとリンは控えめにした食事です。

  • Yum Yum Yum!シニア&ライト シリーズお試しセット

    Yum Yum Yum!シニア&ライト シリーズお試しセット

    良質な筋肉・身体づくりに最適なレシピで作られたドライフード。
    主原料は鶏(チキン)or馬肉、粒タイプはドライorやわらかの計4種類あります。

▼ウェットフード

トッピングが必要な愛柴には、腎臓に配慮したレシピがおすすめです。

  • ヘルマン マトン・ディッシュ キドニーフィット(腎臓)

    ヘルマン マトン・ディッシュ キドニーフィット(腎臓)

    良質なマトン(羊肉)をメインに、EPA・DHAが豊富な鱈肝油やイチョウの葉、ホーソンの実、マシュマロウの根などハーブを配合。低リン・低ナトリウム、高消化性タンパク質の食事です。
    ※療養食ではありません

 

※不安な場合には必ず獣医師にご相談ください。

 

レベル2:療法食が必要な段階の食事ケア

柴犬

yuzu/shutterstock

 

腎臓ケア用療法食には、獣医師推薦のフードと、それ以外の各ドッグフードメーカーが腎臓ケアのために作ったフードがあります。

 

食事療法食を与えるよう指導されたら、まずは獣医師推薦のフードから始めましょう。

 

病気のなかでも特に慢性腎不全は食事が大切な治療となり、また継続して経過観察する必要があるからです。

 

ただ、病院で処方される食事療法食は種類が少なく、必ずしも愛柴がそれを食べてくれるとは限りません。

 

もし獣医師推薦のフードを食べない場合は、獣医師に相談した上でほかの腎臓ケア用療法食を見つけてあげましょう。

 

<おすすめの参考商品>

▼ドライフード

 

  • 腎臓ケア用食事療法食 セラピューティックフォーミュラ「キドニア」

    腎臓ケア用食事療法食 セラピューティックフォーミュラ「キドニア」

    腎臓の健康に配慮し、タンパク質・リン・ナトリウムを控えながらも、良質なタンパク源として、低リン・グリシニン豊富な大豆と鶏卵を使用。
    また、健康な腎臓機能をサポートするために、機能性食材である豚腎臓、EPA豊富な魚油などを配合。

  • リナール アクティブ 腎臓ケア(中粒)

    リナール アクティブ 腎臓ケア(中粒)

    残留化学物質に汚染されていない魚・米が主原料の食事療法食。
    原材料はすべて無農薬で、粒は約1~1.2cmの中粒タイプ。腎臓病、腎不全に対応し、タンパク質とリンの含有量を調整しています。

▼ウェットフード

  • リナール アクティウェット 腎臓ケア ラム

    リナール アクティウェット 腎臓ケア ラム

    ラムとチキンが主原料のパテタイプのフード。腎臓病、腎不全に対応し、タンパク質とリンの含有量を減少させた療法食。ナトリウム量を抑え高血圧にも配慮していますので、心臓病のパートナー(愛 犬)の療法食としても使用できます。

  • リナール アクティウェット 腎臓ケア フラットフィッシュ

    リナール アクティウェット 腎臓ケア フラットフィッシュ

    フラットフィッシュ(赤カレイ)とチキンが主原料のパテタイプのフード。腎臓病、腎不全に対応し、タンパク質とリンの含有量を減少させた療法食です。

 

腎臓ケア用療法食を美味しくする工夫

柴犬

MitchyPQ/shutterstoc

 

どうしても腎臓ケア用療法食だけでは食べてくれない場合には工夫が必要ですね。

 

ただし大好きだからといってお肉をどっさりトッピングしてはいけません。

 

せっかく療法食で腎臓の負担を減らそうとしているのに意味がなくなるからです。

 

<腎臓に負担をかけない工夫>

(1)匂いを立たせる

少しフードを温めたり、お肉のゆで汁だけをかけてあげたり、匂いが増すと食べてくれることがあります。

 

レバー好きならレバーのゆで汁はかなり匂いが強いのでお勧めですよ。

 

(2)食感を変える

できるだけ飲み込みやすく柔らかくしてみましょう。

 

例えばドライフードをぬるま湯でふやかすことです。

 

なかには、半分ふやかし、半分は細かく砕いたものを混ぜたものが好みというタイプもいます。あきらめずにいろいろ試してみてくださいね。

 

ドライフードは砕いてからふやかすと時間短縮になりますよ。

 

(3)甘味で食べるきっかけを作る

糖質制限の疾患がなければ、蜂蜜やシロップなどほんの少しつけてみてください。

 

大量ではなく食べるきっかけ作りのために少量使います。

 

食欲が落ちた子たちに人気なのはかぼちゃの甘味です。

 

かぼちゃのバター炒めやかぼちゃプリンでお薬を与えるというのもよく聞く方法です。

 

フードに少し混ぜてみるとよいでしょう(カリウムの制限を指導されている場合は、野菜の使用量に注意してください)。

 

まとめ

柴犬

leungchopan/shutterstock

 

獣医学の進歩により、より永く愛柴と暮らせるのは嬉しいことですね。

 

シニア期に訪れる体の変化を受け入れ寄り添うために私たちにできるのが食事でケアしてあげること。何を好むか日々観察して知っておくことが役立ちます。

 

シニア期は身体の変化が急に訪れることがあります。これまで以上に注意してあげてくださいね。

 

明日からも愛柴の食べる楽しみが続きますように。

 

※腎疾患は食事の管理が大事です。自己判断ではなくかかりつけの獣医師の指示を優先してくださいね。

 

GREEN DOGとは

世界中から厳選してセレクトした愛犬のためのプレミアムペットフード・ケアの専門店。通販店だけでなく、関東・関西に5店舗、実店舗を構えています。

 

専門家がカウンセリングを通して1頭1頭に最適なフードを選んでくれる『ドッグフード専門店 ごはんの窓口 by GREEN DOG』も、東京・吉祥寺に3月20日(金・祝)オープン。

 

フード選びや食事内容に困ったら、お気軽にお問合せください。

GREEN DOG 相談ルーム

https://www.green-dog.com/shop/consult.php

 

執筆者

GREEN DOG

ペットフーディスト

山本 由能

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