【柴犬お悩み解決NOTE】#37 服を嫌がって大暴れ!上手に着せるには?【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】
第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。「うまく服を着せられる方法を教えてください」というパピー柴オーナーさんへ小野さんがレクチャーしたことは、一見服とは関係なく思えるもの。しかし、犬と一緒に暮らす真髄といえるものでした。
目次
今回のお悩み:服を嫌がって大暴れ!上手に着せる方法を教えて
1歳未満・男の子
一緒にキャンプや雪遊びをしたいと思っています。
そこで濡れ防止、防寒用にレインコートを着せたいと思っていますが、着せようとすると激しく嫌がり、噛んだり吠えたりと暴れまくりです。おやつを使ってもダメ。
ポンチョみたいに楽に着せられるものを何とか着せていて、一度着れば、散歩はそのまま行きます。
カフェなどにお出かけもしたいので、毛が抜ける時期だけでも薄い服を着せたいのですが、服をスムーズに着せる良い方法を教えてください。
もう一度考えて。犬にガマンさせてまで服は必要?

Honcharuk Andrii/shutterstock
犬が嫌がることが出てきたときには「それは本当に必要なのか」を考えましょう。
今回の場合は、服の必要性についてもう一度しっかり考えるべきです。
キャンプや雪遊びなら、コートを着なくてもよい可能性が大。
“防寒のため”とありますが、ふさふさの毛皮に覆われている柴犬が、さらに防寒着を着ないといけないほどの寒さなど、犬も人間も遊びどころではない気温・状況でしょう。
また、雨で毛が濡れるのが嫌なのは、犬と人、どちらでしょうか?
犬の気持ちを主体に考えるのであれば、濡れても平気な犬にとってはレインコートなどなくてOKです。
また、もし雨や水に濡れるのがキライな子ならば、たいがい服もキライです。
もし、着せるのは嫌がるけれど、身体を拭くことは嫌がらないのであれば、無理にコートを着せず、拭く方を選べば済む問題でしょう。
ただし、ドッグカフェでは毛の飛散防止に服を着せることは有効ですね。
しかし、そもそもカフェにお出かけすること自体が、犬にとっては嫌なことかもしれません。だって、じっとしているだけですから。
人が楽しいことにイヤイヤ付き合わせて、なおかつそのために苦手な服を着させる。
この流れが、僕は犬がかわいそうだと思ってしまいます。
犬と何か一緒にするなら、“犬が楽しいことに人が付き合う”ほうが、犬も人間も楽しめることが多いですよ。
どちらかの我慢が多いなら、そのアクティビティーは考えなおすべき。
カフェに行かなくてもよい。服を着せなくてもよい。
オーナーさんがそう思えるなら、それが解決としては一番早いです。
という僕の考えをご理解してもらった上で、今回は犬と人、両方がお出かけを楽しめるようになるためのしつけやトレーニングを考えていきましょう。
触られることで穏やかな気持ちになるように練習を

leungchopan/shutterstock
柴犬は洋犬と違って、服を着たり、体に触られたりするのが苦手な子が多いです。
この苦手が、無理なトレーニングをすることでさらに悪化する場合も。
ですので、トレーニングのやり方は細心の注意が必要です。
服はひとまず置いておき、まずはどのくらい触れるかどうかを確認しましょう。
ブラシは気持ちよく掛けられますか?
服を着ることは犬にとって、強引に触られ続けているのと同じ感覚です。
ブラシを心地よく感じるようになるくらい、触られることに慣れさせましょう。
触られることで穏やかになることが目標なので、ブラシの種類は、極端に言えばなんでもOK。
ブラシでできなければ手で練習してください。
手ですら苦手であれば根本的なトレーニングができていない証拠。この場合、まずはトレーナーさんなど犬のプロと取り組みましょう。
この練習の目的は、穏やかな気持ちと空気の中で服を着させる流れを作るため。
ですが、とても長いみちのりになる可能性があります。
出かける前にチャレンジしたら、お出かけができなくなるかもしれません。
そのくらい、柴犬にとって嫌なことをしていると思ってくださいね。
上手に着せるためのテクニックはない。犬との関係性がすべて

663665_watchstock/shutterstock
犬にもよりますが、力に従う犬もいます。
力に従うと書くと誤解されがちですが、力とは実際の腕っ節の強さや怖さではなく、こちらが犬に何かしようとする時のタイミング、ブレない態度、押し引きなどのうまさという意味です。
ですので、怖く怒っても無駄。
犬に力を上手に見せることができたら、信頼関係や上下関係が良い方向に向き、関係が良好であればあるほど、犬に何かする時に素直に受け入れてくれます。
犬が嫌がることをする時は、このように関係性が全て。
僕は上手に着させるテクニックは無いと思っています。
関係性がしっかりできていない状態で、服を着させることだけが上手くいったとしてもそれは上っ面だけの誤魔化し。
ちょっとした軽いキッカケで、また着せられなくなる恐れがあります。
関係ないと思われるかもしれませんが、お座りや伏せといった基本的なトレーニングから服が着られるようになる子もいるんですよ。
もし基本的なトレーニングをあまりしていないのであれば、しっかり取り組んでみるのも良いと思います。
小さいころだけではダメ。トレーニングは成犬になってからも続けて

MitchyPQ/shutterstock
人の強引さを受け入れられる柴犬にするには、小さい頃からの適正な飼育が大切です。
この子はまだ月齢が8ヶ月とのことですが、パピーのときに「人は強引に触ったりするけれど、けしてあなたを殺すわけでもないし痛いことをするわけではない」としっかり理解してもらうことが大切。
そして、それをずっと継続することが大切です。
よくパピーのころだけトレーニングして、その後はなんとなく飼っている状態になっている子を見ます。
迎え入れてから2〜3ヶ月くらいの、一番手のかかる時期だけトレーニングをして、その後の最も攻撃性や性的な目覚めが起きてくる時期、成犬として自己自信をつけていく時期はなんとなく過ごしている方が多いです。
迎え入れて最初の時期はおしっこやいたずらで手を焼き、オーナーさんは困った困ったと言いますが、犬は困っていませんし、トイレの失敗を直したところで、犬の心の成長に良い影響が加わるわけではありません。
人のためのしつけなのか、犬のためのしつけなのか。しっかり分けて考えてください。
人が困っていることの大きさでトレーニングを考えてはいけません。
そして犬のためのしつけは、犬が成犬になり自我が出てきてからも終わりません。
オーナーさんは犬とたくさん関わり、犬との時間を作ってお互いに理解し合いながら、ともに成長していかなければならないのです。
そうでないと、強い信頼関係は築けないと思ってください。
小野洋平 PROFILE
『inu-house』
通信のベンチャー企業に勤務後、
おすすめ記事
-
【会員数No.1の圧倒的王者】18歳の愛犬が食欲を取りもどした「ココグルメ」の力 。「333円」キャンペーン実施中!
手作り食の子は、従来のドッグフードを主食とする子よりも「平均寿命が3年長かった」という有名なデータがあります。
今回ご紹介するのはプロが作った手作り食が届く「ココグルメ」。近年人気のフレッシュフードといわれるジャンルの中で、会員数No.1[*]の圧倒的王者です。
なぜここまで信頼を得ているのか、なぜ柴犬にふさわしいのか。ペット栄養管理士の荒木幸子先生にお話しをうかがったところ、説得力の塊でした! そして柴犬たちが、今こそ試すべき理由とは…!?
(sponsored by株式会社バイオフィリア)
PR -
【肌荒れには発酵食品!】編集部も注目の、米糀を使ったトッピング&おやつ「FERMES(フェルメス)」に期待!
本日ご紹介するのは、編集部も注目しているトッピング&おやつ「FERMES(フェルメス)」。日本のスーパーフードと呼ばれる発酵食品「米糀(こめこうじ)」を使用し、効率的な腸活をサポートしてくれます。
まだ誕生したばかりのFERMES(フェルメス)のすばらしさを、どこよりも先にお届けします! とくに肌荒れが気になる子は、必見です!
(sponsored by 株式会社SU-BEE)
PR -
世界でいちばん大切な柴犬が、アレルギーに立ち向かう物語【Ta-Taってなんだ?】
「柴犬は丈夫で、病気にもなりにくい犬種である」。
まことしやかに囁かれるこの文言ですが、ほんとうにそうでしょうか?
もちろん、犬種としての完成度がとてつもなく高い柴犬だから、そういった側面はあります。
でも、いざそれぞれの個体を見ていくと、丈夫で病気にもなりにくい、とは言えないような気もするのです。
実際に「病気にならない」などということはないし、飼い主はそのためにやるべきことがある。
今回は、柴犬に関わる方たちすべてに読んで欲しい、ある柴犬とその家族のお話。
ご本人からのレポートは、愛情たっぷりで示唆に富んだ物語でした。
※文章はご本人の了承を得て編集しています
エッセイ
※画像はすべてイメージです
※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません -
【取材】ハワイの柴犬に会ってきました!10頭が集結!
日本を代表する犬といえば、我らが柴犬。
ところが近年、世界中で柴犬ファンが増えています。そんな中「柴犬ライフ」が目をつけたのは、南の楽園ハワイ。柴犬オーナーが多く、定期的にオフ会まで開催されているとか。
そんな噂を聞きつけ、今回はハワイの柴犬たちを取材してきました!
海外取材 -
【インタビュー】お笑い芸人・ニューヨーク屋敷、「拒否柴」を掘る。
世界中の人々を魅了する「拒否柴」。彼らのすべてが詰まったその行動は、柴犬を語る上では外せません。そして拒否柴がここまで話題になるのは、“映える”ことも理由のひとつ。
では…拒否柴を「版画」にしてみたら、どんな作品ができあがるのでしょうか。
最近版画製作を始めた、お笑いコンビ「ニューヨーク」の屋敷裕政さんに、拒否柴を掘っていただきました! インタビューと合わせてご覧ください。
取材 -
【ここの近所に住みたい】ベランダからひょっこり顔を出す柴犬親子が可愛すぎる【動画】
今回ご覧いただくのは柴犬の多頭飼いの日常風景。しかも3頭です! 1頭だけでも可愛い彼らがそんなに集合したら、一体どんな事態になってしまうのか…。すでに興奮が抑えられませんね!
-
「(バシャーッ)ひゃっ!?」水風船が割れた瞬間の柴犬のリアクションが良すぎて何度も見ちゃう【動画】
リアクションが良い犬種でおなじみの柴犬たち。え? おなじみではありませんか? でも彼らってとっても面白い反応をするのですよ。それこそ、思わずリピート再生が止まらなくなるくらい!
-
【取材】手作りの歩行補助機「クルクルマシーン」でストレス知らずな19歳。病院も介護グッズも、つねに最善を探す姿勢が長寿へと導いて。#37コロ
平均寿命は12〜15歳と言われる柴犬。そこで我が『柴犬ライフ』では、12歳を超えてもなお元気な柴犬を、憧れと敬意を込めて“レジェンド柴”と呼んでいます。 この特集では、レジェンド柴たちのライフスタイルや食生活などにフォーカスし、その元気の秘訣や、老犬と暮らすうえで大切だと思うことを、オーナーさんに語っていただきます。今回登場するのは、19歳のレジェンド、コロくん。オーナーさんの手作りによる介護グッズなど、献身的な愛に包まれて過ごしているおじいワンです。
-
【柴の開き】犬っぽさゼロの衝撃的な姿で床に落ちている柴犬。その後ゆっくりと目を閉じ、寝た【動画】
無防備にもパカーンと足を開いている柴犬たち。いわゆる「柴の開き」という状態ですね。しかも今回登場する子たちは、なんとうつ伏せではなく仰向けでパカーンといっているのだとか。もう危機感ゼロか!
-
【“既視感ゼロ”の柴犬グッズが爆誕!】ウ◯チ姿が愛おしすぎるコラボプロダクトがついに完成!
柴犬を心の底から愛している私たち。とくに柴スマイルやオコ柴、拒否柴は彼らの特徴があらわれていて大好き。
でもちょっと待て…もうひとつ、忘れてはならない愛おしいシーンがあったぞ。それは、背中を丸めて“ウンチなう”の姿だ。
そこで私たち柴犬ライフは、ドッグブランド「PEGION(ペギオン)」とコラボしてオリジナルの柴グッズを製作!
柴犬と暮らす人もそうでない人も、とにかく柴犬を愛してやまない皆さまへ。とんでもない柴グッズが爆誕です!
ストア情報
特集
-
柴犬(しばいぬ)の性格/基本情報
柴犬のからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
豆柴(まめしば)の性格/基本情報
豆柴のからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
子犬/はじめての柴犬(しばいぬ)
柴犬ビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
柴犬ライフ ストア
厳選&オリジナルの柴グッズが勢ぞろい!
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】レジェンド柴の肖像ー12歳を超えて
12歳を超えた柴犬を取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】保護柴と家族になって
-
【マンガ連載】こいぬと柴犬
「柴犬ライフ」オリジナル作品!
-
【連載】アキナ山名とおまめのラブい日々
山名さんご本人が綴る“柴犬ライフ”エッセイ。
-
【特集】柴犬のお悩み解決NOTE
ドッグトレーナーがみなさんのお悩みに応えます!
-
柴犬 病気辞典
獣医師監修のShiba-Inu Lifeオリジナル病気辞典。あなたの愛する柴犬を守るための情報満載
-
柴犬里親/保護犬情報
Shiba-Inu Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
SHIBA-INU LIFEとは
柴好きによる、柴好きのための、柴犬情報メディアです。その規模は、日本最大級!