2021年5月22日2,413 ビュー View

【特集】柴を介護する#19 唾液が少ないと歯周病のリスクUP!朝晩3分の唾液腺マッサージで愛柴の健康を守ろう

特集『柴を介護(あい)する』シリーズでは、いつかはやってくる我が子の老後に備え、老犬介護の情報をお伝えしています。

全身の健康に関わってくるデンタルケアは、子犬でも老犬でも年齢問わずしっかりやっておきたいですよね。

口腔ケアと聞くと、おもちゃやガムを噛ませたり、歯みがきをしたりするだけと思っていませんか? それだけでなく、口の保護や洗浄などの作用がある唾液の分泌量を増やすことも大切なんです!

ドッグハイジニスト&グルーマーの二村郁子さんに「唾液腺マッサージ」のやり方や「歯周病予防のツボ」をうかがいました。

ドッグハイジニストとは……

セラピスト&ドッグハイジニスト,チワワ

セラピスト&ドッグハイジニストとして活動する二村郁子さんとご実家の愛犬

 

ドッグハイジニスト協会が認定した、ペットの口腔ケアのプロのこと。

 

歯のケアや歯磨きの方法など、犬のデンタルケアについて専門的に学び、道具を使いオールハンドで行う歯石除去の技術をマスターした、ワンちゃんのデンタルケアのスペシャリストです。

 

犬の行動・しぐさでわかる口の健康チェックリスト

愛犬の口の健康を守るには、定期的なチェックが大切です。

 

とはいえ犬に口を開けさせてしっかり確認するのが難しいこともありますよね。

 

二村さんによれば、口腔のトラブルのサインは行動としぐさにも現れるのだとか! 

 

そこで口腔トラブルのサインと言えるしぐさや見た目のチェックリストを作成しました。

 

あなたの愛柴は、以下の項目に当てはまることはありませんか? 

さっそくリストをチェックしてみましょう。

 

◆口の健康チェックリスト

□前足で口の周りをかくことが多い
□片目から目やにが出る
□片目が充血している
□軟らかいものしか食べなくなった
□口のまわりが汚れている
□口臭が気になる
□食事中に食べ物をこぼすことが多い
□頭を振ることが多い
□食欲はあるのに食べられない
□よだれが多い
□口をさわられるのを極端に嫌がる
□咀嚼のとき片側に偏っている
□食事中に突然声を上げることがある
□頬や顎が腫れている
□床やベッドなどに口をこすりつけることが多い
□食後すぐに吐くことがある
□鼻水や鼻血が出ている
□くしゃみをすることが多い

 

二村郁子さん(以下二村さん):
「これらのしぐさなどは一見、大したことがなさそうですが、じつは健康な犬では通常見られないことばかり。

 

一つでも当てはまったらお口のトラブルの予兆と考えてもいいくらいです。

 

オーナーさんは定期的なチェックを心がけて、愛犬の寿命にも関わる口腔の健康に早く気づいてあげてくださいね」

 

唾液の持つ重要な役割

柴犬

あなたの愛柴はどれくらい歯石がついてますか? 歯石が多いようなら今すぐ食後のデンタルケアを習慣に。

 

二村さん:唾液には体に病原菌の侵入を防ぐための殺菌、抗菌作用があります。

 

ほかにも歯についた食べかすを洗い流す洗浄作用や、粘膜を守る保護作用など、全身の健康を守るための大切な役割が。

 

いろいろな犬の施術をしてきて思うのですが、歯石のできやすさは唾液の質や量が影響していると思います。

 

唾液にはネバネバした成分とサラサラした成分があり、サラサラが多いほうが洗浄作用などがしっかり働きます。

 

分泌量も多いほうが歯周病のリスクを減らせるわけですね。

 

唾液は体質が影響していて、同じフードを食べている多頭飼育の場合も、犬によって歯石のでき具合が違うことも珍しくありません。

 

とくに柴犬はラブラドール・レトリーバーや、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークなどに比べて、唾液の量が少なめの犬種だと思います。

 

高齢になるとネバネバの成分が増える一方、分泌量が減るので、歯周病などのお口のトラブルが起きやすくなります」

 

唾液腺マッサージで唾液を増やし、口腔をきれいに

唾液は噛むことで唾液腺から分泌されるので、デンタルケア用のおもちゃやガムで“噛む時間”を長く作ることがポイント。

 

加えて二村さんは唾液の分泌を促進する「唾液腺マッサージ」をすすめています。

 

続いてはその方法についてご紹介します。歯石がつかないように、朝晩の食後にやってみてくださいね。

 

◼マッサージ前の準備

柴犬

 

唾液腺をマッサージする前に、まずは二ヶ所ある唾液の出口をマッサージして開き、唾液の出をよくします。

 

まずは上の奥歯(第4前臼歯)あたりにある出口を指で円を描くようにマッサージ。

柴犬

 

次にもう一ヵ所の出口をマッサージ。下の犬歯あたりを前後にやさしくなでるようにマッサージを行います。

 

これで準備完了。

 

続いて唾液腺をマッサージしていきます。

犬の唾液腺

唾液腺は頬骨腺、下顎腺、耳下腺、舌下腺の4ヶ所にあります。

 

◼STEP1

柴犬

頬骨腺は左右ともに目の下のあたり。指を前後に動かしてマッサージを。

 

◼STEP2

柴犬

耳下腺(耳の下)のマッサージも指を前後に動かすのがコツ。

 

◼STEP3

柴犬

下顎腺はエラのあたり。同様に指を前後に動かして。

 

◼STEP4

柴犬

舌の奥にある舌下腺(喉のあたり)も指を前後に動かしてマッサージ。

 

◼STEP5

柴犬

仕上げに4つの唾液腺の出口から唾液が流れやすくなるように、導管(耳の下から犬歯に向かって)に沿って手をストロークさせます。

 

歯周病予防が期待できるツボ押し

さらに唾液を増やして歯周病予防が期待できるツボ押しもプラスしましょう。

犬が気持ちよさそうな顔になる強さで押してください。

 

◼下関(げかん)

 

 

下関は口角の後方にあるツボ。左右に各1つあります。

 

20秒程度×5回程度、指で押します。

 

顔の反対側を手でやさしく支えておきましょう。

 

◼合谷(ごうこく)

柴犬の前足

 

合谷は前足の親指と人差し指の付け根にあるツボ(スティックで指している位置)。少しくぼんでいる部分です。

 

3秒×10〜20回押しましょう。

 

柴犬ならオーナーさんの人差し指を使って押してあげてください。

 

小型犬なら綿棒で押すのがおすすめです。

 

◼女膝(じょしつ)

柴犬の後ろ足

 

女膝は後ろ足のかかとの真ん中にあるツボ。

 

角度がついた上部の部分を5秒×20回押しましょう。

 

まとめ

柴犬

mannpuku/shutterstock

 

柴犬は水分をあまり摂らない子が多い犬種だともいわれます。

 

摂取する水分が少なければ唾液も少なくなり、口が乾燥ぎみになり、口腔に悪影響を及ぼします。

 

唾液腺マッサージで唾液の分泌をうながし、水分量にも気をつけてあげたいもの。

 

あまりお水を飲まない子は、ヤギミルクを飲ませてみる、ごはんにお肉やかつおぶしなどで出汁を取ったスープをかけるなどの工夫をしてみるのもおすすめです。

 

ここまで紹介してきた口の健康を守るためのデンタルケアの中から、できることを始めましょう。

 

早すぎ・遅すぎということはないので、子犬でも老犬でもチャレンジしてみてくださいね!

 

【取材者DATA】

犬の歯磨き施術

ドッグハイジニスト&グルーマー

二村郁子さん

二村さんHP

wankowanko118@gmail.com

 

取材・文/金子 志緒

 

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