2021年7月5日1,370 ビュー View

【柴犬お悩み解決NOTE】#42 妊娠・子育てでしつけができず…子供や主人を噛む犬に【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】

第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。今回は愛柴を迎えてからすぐに相談者さんが妊娠、しつけをする時間が取れなかったため、噛みつきや吠えつきに悩まされているというもの。柴犬はすでに4歳、3兄弟の一番下のお子さんは2歳でまだまだ手がかかるという状況ですが、果たして解決策はあるのでしょうか。

今回のお悩み:子育てでしつけができず…子供や主人を噛む犬に

4歳・男の子

もうすぐ4歳になる雄犬です(未去勢ですが去勢する予定です)。

 

子どもを噛むことと、庭では人、犬への吠えで困っています。

 

犬を迎えてからすぐ妊娠したため、産後にしつけなどしてあげられず今に至ります。

 

もともと室内で飼い始め、室内飼いのときはケージを用意して部屋でフリーの時間を設けていました。

 

しかし子供を度々本気で噛んで大きな怪我をさせたため、今は外飼いになってしまっています。

 

主人も本気で噛まれたことががあり、そのときはかなりの出血でした。

 

子どもは上が12歳、一番下は2歳で3人。

 

子どもに自分から威嚇して向かっていく感じはありませんが、手を出したら唸って噛んだりするので、子どもたちも怖くて近づけない状態です。

 

しつけ教室も通ったのですが、良くなりませんでした。

 

一番下の子にまだ手がかかり、中々犬に手をかけてあげれないことが辛いです。

 

散歩は主人が行ってくれていますが、多忙で朝は早く夜は帰りが遅い状態です。

 

外飼いだと夏や冬は心配ですし、通りすがる人や犬にも吠えて困っているので、できれば気候の良い時は庭で、夏や冬は室内で飼うのが理想なのですが。

 

何か今からでも出来ることを教えていただきたいです。

よろしくお願いします。

 

家族だけで解決するのは困難

柴犬

Chanin Suchaxaya/shutterstock

 

犬の状態と家族の現状がかみあわずにとてもお悩みかと思います。

 

犬がすでに4歳、年齢的にもトレーニングで大きな変化を与えないと変わらない可能性が高いでしょう。

 

しかし犬にかけられる時間も少なく、トレーニングをご家族で行うのは難しい状況ですので、解決方法は2つ。

 

預託トレーニング(一定期間犬を預け、飼育管理しながらトレーニングするシステム)できちんと犬をトレーニングしてくださる所に預けるか、今の生活パターンや仕事の時間を変えるかです。

 

預託トレーニングは「帰ってきたら元に戻った」「トレーナーさんの言うことは聞くんだけれど、私の言うことは聞かない」、「費用の割に効果が薄い」といった噂を聞いたこともあるかもしれません。

 

しかしそんなところだけではないので、本当に頼りになるところを必死に探すことが、今相談者さんが一番やらなければいけないことだと感じます。

 

噛みつきや吠えだけでなく、お散歩や犬のケアをすること、つまり“犬を飼う”ということ自体がままならなければ、なおさら預託を考えても良いのではないでしょうか。

 

犬が変わると同時にオーナーさんも変わらないと意味がない

柴犬

Jessi et Nono/shutterstock

 

預託トレーニングは、まずは犬を少しでも扱いやすくしたり、知らなかったことを覚えさせたりすることだとイメージしてください。

 

そしてトレーナーさんの元で覚えたことを、家に帰ってきて愛柴がしてくれるかどうかは気持ちの問題。

 

この「したくなるような気持ち」に持っていけるかどうかは、オーナーさんも含めた環境次第です。

 

預託トレーニングで犬だけを変えても、オーナーさん自身が変わらなければ、元の状態に戻ってしまっても当然。

 

オーナーさんもトレーナーさんから犬の扱い方について習ったり、犬のことを理解するための知識を学んだり、今の生活でできることを考えたり、努力をする必要があります。

 

そうやって努力して得た知識で愛柴と接することで、犬との関係性を築いていかなければなりません。

 

しかしそのためには、オーナーさん自身もこれまでにない我慢を強いられたり、無理しないといけないことが沢山出てきます。

 

犬と人とは関係性が全てと言っても過言ではありませんので、オーナーさん側の努力は必ず必要です。

 

命を守るために室内飼いを

柴犬

Egrigorovich/shutterstock

 

今の状態でできることを一度、家族でしっかり考えてください。

 

犬にたっぷりと時間もお金もかけて飼うことは、小さなお子さんを育てているうちは難しいかもしれません。

 

しかし、ベストではなくとも今よりベターな暮らし方は必ずあるはずです。

 

犬との時間の作り方や接し方を親身になって考えてくれるトレーナーさんもいるので、現状を変えたければ、繰り返しになりますが、しっかり相談に乗ってくれるトレーナーさんを探すのが今最優先でやるべきことかと思います。

 

また外で飼うことは、これからの季節は命の危険が伴う可能性があります。屋内で飼うことを考えてあげてください。

 

そのためにも、よいトレーナーさんを探してください。

 

犬に使える時間、お金…犬を飼う前にしっかりと考えて

柴犬

Dulova Olga/shutterstock

 

犬を飼うと金銭的な問題、時間的な問題がしばしば降りかかります。

 

飼う前には、トリミングなどのケア代、病気・怪我などの治療費などは簡単に想像できるかと思います。

 

しかし噛む犬になったり、問題行動が手に負えなくなった時のトレーニング費用やそれに掛かる時間は、全くと言っていいほど考えていない人が多いと思います。

 

一回のトレーニングにかかる時間は短くとも、何度も何度も練習し、長く続ける必要があります。

 

噛むケースの場合だと、半年や1年以上かかる場合もあると思ってください。

 

今回のケースのように犬種が柴犬、4歳、未去勢、噛みがあるといった場合はなおさら長期的になるでしょう。

 

なかなか改善しない場合、少しでも攻撃性が弱くなるよう去勢をすることも必要になるかと思います。

 

もちろん、去勢をしたから大人しくなるとは限りません。トレーニングも並行して行う必要がある場合がほとんどです。

(この子の場合、幼少期の社会化トレーニングも出来ていないと思われますし、噛む、吠える以外の態度もわからないので一概に去勢をすすめることはできません)

 

去勢をすると抜糸までは安静にしたり、ホルモンバランスが落ち着くまで様子をみたりなど、トレーニングしたくてもできない期間が3週間〜4週間ほどかかる場合もあります。

 

このように、犬を飼うということは“時間”と“お金”がかかるもの。

 

その2つを犬のために用意してあげられるか、これから犬を飼う人にはしっかりと考えてほしいと思います。

 

小野洋平 PROFILE

『inu-house』代表。

通信のベンチャー企業に勤務後、カナダに渡りドッグトレーニングを学ぶ。カナダでは、いきなり家庭犬のトレーニングを行う現場で問題犬と呼ばれている犬たちに囲まれての修行。帰国後、介助犬育成と家庭犬トレーニングのケイナイン・ファミリーを立ち上げるが、日本人の犬の考え方や家庭犬の在り方に疑問を抱き、家庭犬トレーニングを主に行うようになる。日本独特の犬文化を守ることと変えていくことが目標。

 

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