2021年10月1日7,120 ビュー View

『あるお坊さんの話』ーアキナ山名とおまめのラブい日々#9

お笑いコンビ「アキナ」の山名文和さんは、2020年6月9日に愛柴のおまめを迎えました。保護犬施設からやってきた彼女は、当時8歳。

長年夢みてた“柴犬ライフ”を、ようやく実現した山名さん。おまめとどのように出会い、どんな生活をおくっているのでしょうかー。

アキナ山名と柴犬おまめの最高にラブい日々を、山名さんご本人が綴っていきます。

#9は、いろんなことが絡み合って作用して見られた満月ー。

『あるお坊さんの話』ーアキナ山名とおまめのラブい日々#9

柴犬ライフ,アキナ山名,おまめ

以前から書いていること。

おまめに何も期待せずにスタートした生活。そのおかげで毎日毎日が楽しいということ。

ボールを投げたら取ってきてほしいとか、おしっこは家でしてほしくないとか、無駄吠えしてほしくないとか、主人の膝で眠り、いつも従順で居てほしい、そんな願いは一つもなかった。  

 

我慢できないなら、おしっこしてくれたっていいし、寂しいなら吠えてくれていい。自分の感覚で家のどこかでゆっくりしてくれていたらいい。それくらいの気持ちでお互い生活をしていこうと決めた(世話をする者として当然の事は全てやった上で)。

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撮影:山名文和(アキナ)

 

それでなかなか困ったことがあれば、その都度直していけばいいと思った。そんな感覚だから、たまに見せてくれる笑顔が奇跡で毎日歩く姿が、眠る姿が、何を考えているのか全くわからないすんとした目が、すべての瞬間が愛おしい。

 

そんな気持ちを持って共に暮せば、寂しいワンちゃんは、減るんじゃないかと想っているという話。

 

最近たまたま見た記事。

なにかの番組でお坊さんにドッキリをかけたときのこと。お坊さんがホットコーヒーを注文する。注文をとったウェイターが暫くして「注文なんでしたでしょうか?」と訊ねる。これを何度も繰り返す。さて、お坊さんは何度目で怒るかというもの(記事だけなので内容が少し間違っているかもしれないが大方こんな感じ)。

 

結局お坊さんは怒らなかった。訊きなおされるたびに「ホットコーヒーひとつ」と言った。

ディレクターがどうして怒らなかったんですか? と訊ねる。そのお坊さんは「何も期待していませんので」と言った。

 

「何も期待していない」

 

この言葉だけを見ると凄く冷たい寂しい印象を持つけれど、読んでいたらそんなことではなかった。

 

「人に接するとき、知らずしらずのうちに私達は期待をする。ホットコーヒーを注文すれば当然ホットコーヒーが来ると思う。そうならなかったときに私達は怒る。こうしてほしいという願いみたいなものはある。でも万事そういくわけではない。その期待をなくせばいつも穏やかでいられる」と。

 

感動した。淡い願いのようなものだけを持って生活していれば、そのとおりになったとき僕達は感謝出来る。起こる全てが奇跡で、ありがたく思えるようになる。

おまめに対して思っていたけれど、人に対して考えたこともなかった。そんな人間になりたいと思った。

柴犬ライフ,アキナ山名,おまめ

撮影:山名文和(アキナ)

 

その日の夕方、道端でパシャパシャと写真を撮る音が聞こえた。そちらの方を見ると、一人の女性が僕を撮りながら歩いていく。「すいませーん! 勝手に撮りましたー」と笑顔で言われた。首の後ろが熱くなり喉が痛くなるほど腹がたった。むちゃくちゃにむかついた。

そのお坊さんの様になるには、まだまだ時間がかかる。

 

先日、9月21日に満月を見た。中秋の名月。9月21日に満月になるのは8年ぶり。前日から楽しみにしていた。前日の20日の月も綺麗だった。

 

いや、今日でもええやん。

かなり満足度ありますやん。

どうもあざます、と思ったほど。

それでも明日の月ほなもっと凄いんか?

これはえらいことなるんちゃうか? とも期待をした。今考えたら期待しかなかった。

柴犬ライフ,アキナ山名,おまめ

撮影:山名文和(アキナ)

 

夜10時。おまめの散歩がてら楽しみに楽しみにしていた空を見上げる。残念ながら曇っていて、満月は見えない。愕然とする。これが期待か。楽しみにしすぎて曇ることなど露にも疑わなかった。どころか、してほしいうんちもおまめはしない。まあ、うんちは仕方ない。これはたまにあること。こんなことでは動じない。月、終わり、最悪、と思いながら家に戻る。

 

夜12時。妻が「おまめうんちせんかったんやんな? もっかい行ってみよか散歩」と言う。もう月のことなど考えていなかった。うんちで頭いっぱい。  

 

外に出る。

空が眩しい。

上を見上げる。

 

今まで見た中で一番綺麗だった気がする。前日でもどえらい月やで、と思っていたが、それを優に超える美しさ。すんごかった。ものすんごかった。

柴犬ライフ,アキナ山名,おまめ

撮影:山名文和(アキナ)

 

時計を見たら0時ジャスト。それもなんだか嬉しかった。

うんちしたそうなおまめの足を止めて暫く空を見上げた。おまめを持ち上げて、月に照らした。皮膚とかよくなりますように、と少し願った。おまめは嫌がってた。おろしてそそくさ歩きだし、いつも通りのうんちをしてくれた。満月やから、特大のするかなと思ったけど、いつも通りのうんち。

 

いろんなことが絡み合って作用して見られた満月。

 

まじ感謝。ナムアミ。

 

 

【プロフィール】山名文和(アキナ)

柴犬ライフ,アキナ山名,おまめ

1980年7月3日生まれ。2012年、秋山賢太とお笑いコンビ「アキナ」を結成。

レギュラー番組を多数抱えるほか、『キンブオブコント』『M-1グランプリ』『THE MANZAI』で決勝進出を果たす。

愛柴は、保護施設から迎えたおまめ(9歳)。

 

 

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