【柴犬お悩み解決NOTE】♯32 イラッとしてガウガウ?散歩中にリードを噛んできます【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】
第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。
今回のお悩みは、散歩中にリードをガウガウと噛んでくるときがある、というもの。横断歩道などでリードでのコントロールがきかないと、犬もオーナーも危険です。果たしてその解決策とは。
目次
今回のお悩み:散歩中にリードを噛みます
1歳・男の子
散歩の時に、テンションがいきなり上がるのか、イラッとするのかリードを噛みます。
噛んでくるタイミングは、草の匂いをもっと嗅ぎたいとか、拾い食いをしそうなときに、私がリードを引っ張って制止をするのが数回続いたときなどです。
噛んできたら「ダメ!」と言ったり、止まって知らん顔で無視するんですが、そうすると愛柴はお座りをしてジッとしています。
しかしまた私が歩きだすとガウガウと噛んできます。
噛む→無視するを2~3回繰り返したあたりでやっと諦め、落ち着いて歩きだすといった感じです。
道路を渡る時などに暴れられると危ないので、リードを噛んできたときの対処法や、落ち着いて歩く方法があれば教えてください。
「お座り」「伏せ」「待て」「おいで」「つけ」、「アイコンタクト」など基本のトレーニングが何より大切
このような問題の場合、私は「なんで噛むの?」を深く考えることはまずはしません。
理由は、こちらがいくら考えても正解かどうかは憶測の域を出ないからです。
ですので、こういうケースでは、「好き」「嫌い」「怖い」というすごく単純な感情が態度に出ているときはどんなときかだけを見ます。
犬の態度が「怖い」や「不安」からくるものであれば、細かいステップを踏んで平気になるようトレーニングをしていきます。
これはとても難しい場合が多いです。
それ以外でしたら、基本的なトレーニング「お座り」「伏せ」「待て」「おいで」「つけ」を一生懸命練習します。
名前もコマンドのひとつと考え、呼べばこちらを見るようにアイコンタクトの練習もします。
これら6つのコマンドをあまり練習しない人も多いですが、それではいけません。
アグレッシブな犬や若い時期の犬の場合は、この練習をしないと“無理矢理止める”という、犬にとって嫌なことをオーナーがしないといけない状況が多くなってしまいます。
その結果、人間の印象を悪くしてしまい、関係性まで崩れていくことも。
特に柴犬の場合、この悪循環になりやすいと感じます。
また、犬が何か物を持っていくイタズラをした場合、抵抗したり逃げる犬に対しコマンドができていなければ、人間は手を使って犬から無理やり対処することになります。
そのせいで、犬は人の「手」が嫌になったり怖くなるのです。
そして場合によっては、人間の手に過剰に反応する犬になってしまいます。
「リード=嫌なもの」というイメージができているのかも
このご相談のケースでは、この手の部分が“リード”になっている可能性があります。
手よりもリードの方が悪い印象になりやすいかもしれません。
しつけの本やネットに「リードを引っ張りましょう」と書いてあるからと、何気なくリードを引いているオーナーさんが多いのですが、実はリードの扱い方は難しいものなのです。
リードは引くためだけにあるわけではありません。
また、引くことだけでも何種類もあり、引くにしてもタイミングが重要です。
タイミングを間違えれば“引き”が効果を失ったり、逆効果になります。
もし腕を使ってグイッとリードを引いているのであれば、すぐにでもやめてください。
リードを引くことで犬に何かをやめさせたいのであれば、プロの方に実際に引っ張り方やタイミングを教わってくださいませ。
犬に不快な思いをさせるトレーニングは、褒めるだけのトレーニングよりずっと難しく、逆効果になる可能性が高いためです。
まずは家の中で「6つのコマンド」が完璧にできるように
今回のご相談では、
<オーナーさんが犬に態度や言葉で「やめて」と伝えているのにやめてくれない。また、伝えた時だけはやめるが、またすぐにする>
というものでした。
オーナーさんのタイミングで犬になにかをやめさせる方法は、先に書いた6つのコマンドの延長線上にあります。
外には臭いや音、いろんな誘惑があります。
ですので、まずは誘惑の無いところ、つまり家の中でしっかり言うことをきけるようになっていないといけません。
お家の中では、基本的な6つのコマンド&アイコンタクトをしっかりと練習します。
リビングだけで練習するのではなくていろんな場所、タイミングで練習してレベルをあげていきましょう。
次に外での練習です。まずは決まった場所で練習してください。
練習する場所はオーナーさんと犬が気兼ねなくできる場所でなければいけません。
思いっきり褒めることが恥ずかしいような場所は練習には適していません。
もし、練習できるような場所がなければ探しましょう。
時間帯によってはできるなどいろんな条件で探してみてください。
車で移動しないと無いという方もいらっしゃると思いますが、練習できる場所ということはきっと遊ぶことにも適した場所だと思います。
なのでぜひ、オーナーさんと愛柴との2人だけの秘密の場所をみつけてくださいませ。
根気よく練習することが大切
練習をはじめても、もちろん普段のお散歩は必ず行ってください。
お散歩は「コマンドの練習ができてないから、今は何もできない」と割り切り、これ以上酷くならないお散歩を心がけましょう。
オーナーさんが大きな声を出す、ダメを連呼する、リードをこれでもかと強く引くことはやめてください。
柴犬が臭いをかいでいるのをスマートに止めさせられなければ、無視してそのままズイズイと歩きます。
リードを引っぱって“わからせよう”とするのではなく、歩き続けるのです。
リードが張ってズルズルになってもかまいません。
ただしカラーやハーネスがすっぽ抜けるのだけは気をつけてください。
相談内容に「リードを噛んできた場合に止まって無視をする」とありますが、それは無視していません。止まっているんですから。
完全なる無視。これをしてください。
程度によっては難しい場合もありますが、だいたいのケースが犬の行動をやめさせようとしてかえって悪循環に陥り、かつ変なクセもつけてしまっている状態です。
コマンドの練習をひたすらやれば、大きな声を出す必要も、無視をする必要もなくなります。
なによりトレーニングを積み重ねることで犬との関係性もよくなるので、大体のことはすんなりと止めてくれます。
ただし、すぐにできるようにはなりません。
ですがオーナーさんの日々の努力や学習、犬と繋がりたいという気持ちが強ければ、いつかは必ず犬に届きます。
あきらめず日々の練習をがんばってください。
小野洋平 PROFILE
『inu-house』
通信のベンチャー企業に勤務後、
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