【柴犬お悩み解決NOTE】#36 毎回追いかけっこに…首輪を見せると逃げ回ります【ドッグトレーナー・小野洋平がズバリ回答】
第一線で活躍するドッグトレーナーの小野洋平さんが、読者からのしつけ・トレーニングのお悩みに答える連載『柴犬のお悩み解決NOTE』。今回のお悩みは、散歩に行く準備を始めると逃げ出し、首輪をつけるために10分も15分も追いかけっこになってしまうというもの。同じような悩みを持つ柴犬オーナーも少なくないと思いますが、その解決法はいたってシンプル、かつ基本的なことでした。
目次
今回のお悩み:首輪をつけようとすると逃げ回ります。追いかけっこなしに、すんなり首輪をつけたい
1歳・女の子
私が散歩に行く準備を始めたり、「散歩に行こう」と声をかけると逃げ出し、首輪をつけようと近づくといよいよ走って逃げまわります。
最近はなんだか、この追いかけっこを楽しんでいるようにすら見えてきました。
オヤツを見せても寄ってきてくれなくなり、二人がかりで挟みこんでやっと首輪がつきます。
かといって散歩が嫌いな訳ではなく、首輪とリードが付くと楽しそうに歩き始めますし、犬も人も大好きなので長い時は2時間以上歩くこともあるぐらいです。
朝など時間がない時に10〜15分も追いかけっこしてるのがもったいなく、すんなり首輪をつけられるようになりたいです。
おやつに頼らないためにやるべきこと3つ
カラーやハーネスを付けようとすると逃げ回る理由はさまざま。
拘束されるのがイヤ、遊びの時間だと思っている、また「お散歩ひゃっほい!」とテンションが上がったことで、そのまま追いかけっこに突入してしまうパターンもあります。どちらにしても手を焼きますよね。
すっと首輪をつけるには、まずはおやつに頼っている現状から脱却しましょう。
何に関してもですが、おやつで釣って何かをしているなら、おやつが無くてもできるようにしていきたところです。
そのために必要なことは3つ。
・待てをしっかりと練習する
・ハウスを使う生活をする
・オーナーさんはリードや首輪を持ったとき「今からつけるでー」という雰囲気を消す。
人によっては、どれもとても難しいことかもしれません。
しかし一つでも出来るようになれば、それをきっかけに他のことも次々とできるようになる場合も多々あります。
「お座り」、「伏せ」、「待て」、「おいで」の練習はしていますか。
練習のときはおやつはなし、リードでのみ指示を伝え、それに犬が応えるという基本的なトレーニングをしてください。
上記3つに加え、「つけ」(引っ張らず、オーナーさんの横を付いて歩くこと)は、おやつが無くてもできるようになっておくべきです。
これができていると、今回のようなお悩みは無くなるでしょう。
もし「出来ているのに逃げる」のであれば、レベルが低いだけ。もっとレベルを上げるよう練習をしてください。
一番大事なのは「アイコンタクト」ができること
コマンドを出すその前に、ぜひ徹底してやってほしいのが、名前を呼んだらこちらを見る「アイコンタクト」と呼ばれる練習。
なぜなら、オーナーさんが自分に犬の注意を向けることができなければ、「待て」や「お座り」といったコマンドを出すタイミングが取れないため。
愛柴の名前を呼び、目が合えばおやつをあげる練習をしっかりとやってください。
褒めて喜ぶ関係性ができていれば、おやつなしで褒めるだけでもOKです。
よく、アイコンタクトができない状態で、「待て」を連呼したり、大きな声を出したりしているオーナーさんを見ますが、それは間違い。
コマンドを出すタイミングは、名前を呼んだり合図を出したりしてオーナーさんが作るもの。それを忘れないでください。
一番大切なトレーニングは、このアイコンタクトといっても過言ではありません。しっかり練習してください。
今回のお悩みは「待て」が出来ればほぼ解決
5つのコマンドの中でも「待て」は犬の安全を守るのにも役立ちますし、組み合わせることで「おいで」の練習もしやすくなります。ぜひ習得してください。
練習をする時に必ず守って欲しいのが、リードを付けることです。
二人がかりでもいいので、まずは何とか付けてください。
よくリード無しで練習している人も見かけますが、それは練習とは言えません。
なぜなら、犬がこちらの意図しない行動をした時に止められないからです。
そしてまずは、リードを付けていることがオーナーさんにとっても犬にとっても普通のことになるよう、犬に慣れさせてください。
オーナーの覚悟が甘いと犬に伝わらないどころか逆効果
もう一つ。練習はおままごとではありません。
オーナーさんが「できるかな〜」という気持ちでやるものでもありません。
オーナーさんの気の持ちようが甘いと、出来なかったときにたいていの人は笑ってしまいます。これがダメ。
笑ってしまうと、犬には「褒められた」と伝わってしまうときがあるためです。
最悪、「待て」が聞こえても無視するか、逆に動くことを覚えてしまいます。くれぐれも真面目に取り組んでください。
オーナーさんによっては“真面目に”と考えると、怖くなるか、動きが硬くなって犬を褒められなくなるか、犬を無視して何がなんでもやらせようとするかに陥ります。
つまり、真面目にやればやるほど練習がつまらなくなる。すると犬もつまらなくなる。
そのスパイラルに入ると犬はコマンドを覚えません。
“真面目に楽しく明るくやる”のが大切です。そんな練習ができるようになるには、ある一定の経験と知識、慣れが必要になるでしょう。
ぜひ経験を積んでください。
楽しくやるには1人だと難しい場合がありますが、トレーナーや仲間と一緒ならできる場合もあります。
最初は誰かと一緒に取り組むのがおすすめです。
「待て」の練習のポイント
「待て」はおやつやごはんで練習してるかと思いますが、上達のためのポイントをご紹介します。
・動いたらすぐに元の位置、向きに戻す。
・「待て」を連呼しない。コマンドは一回だけ。
・リードを付け、まずはリードの範囲でやる。
・オーナーさんが立つ位置は、まずは真正面から。
・レベルを上げるには、待っている時間、オーナーさんとの距離をじょじょに伸ばす。いきなりレベルを上げない。
ハウスは犬のメンタルのバランスを取るのに役立ちます。
ハウスの大切さは過去記事「♯28 前の家で蹴られていた柴…前触れなく噛んできます」に書いてありますので、ぜひ参考にしてしっかり練習を。
最後に
「いざ」や「もし」は突然やってくるもの。何か問題が起こった時、基本的なトレーニングの大切さを痛感することになります。
どんな子でも「お座り」、「伏せ」、「待て」、「おいで」、「つけ」の練習はしっかりと行ってください。
基本、犬は24時間いつでも学習しています。
オーナーさんと練習している時だけでは無く、全ての時間に学んでいるのです。どうぞ根気よく忍耐強く接してくださいね。
小野洋平 PROFILE
『inu-house』
通信のベンチャー企業に勤務後、
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