2022年1月7日12,227 ビュー View

【取材】17歳7カ月をすぎてもオレ様な性格は健在!ツンデレ柴の長生きの秘訣はママの愛情たっぷり手作り食 #19白龍

平均寿命は12〜15歳と言われる柴犬。そこで我が『柴犬ライフ』では、12歳を超えてもなお元気な柴犬を、憧れと敬意を込めて“レジェンド柴”と呼んでいます。 この特集では、レジェンド柴たちのライフスタイルや食生活などにフォーカスし、その元気の秘訣や、老犬と暮らすうえで大切だと思うことを、オーナーさんに語っていただきます。今回は、愛知県に住む17歳の白龍くんが登場。まずはじめにとオーナー・白龍ママに性格をお聞きしたところ「オレ様です!」と返ってきた、白龍くんの暮らしぶりとは?

白龍くんプロフィール

柴犬

年齢&性別

17歳と7ヶ月の男の子(2021年12月現在)

体重 

6.8kg(2021年12月現在)。

大好きなこと 

白龍ママお手製のごはんを食べること

既往歴

・小さなころから重度の外耳炎に悩まされていた。

・12歳の頃、心臓弁膜症と判明(無自覚・無症状)。

・15歳で突然、顔の毛がすべて抜けてしまう。

・17歳を過ぎたころ、自力で後退したり、座ったりすることが困難になり、介護開始。

 

怒れるオレ様柴。が、ママが落ち込むと…

柴犬

 

雪のように真っ白でつややかな毛並みが近所でも評判だという、クールな顔立ちの白龍くん。

 

オーナーの白龍ママと白龍くんの出会いは、17年ほど前のことでした。

 

「前の子を亡くして少し経ち、新しい家族を迎えたいとちょうど考えていたときでした。

 

『日本犬保存会』から“真っ白な仔が生まれたよ”と連絡があり譲渡会へ行ったのですが、見た瞬間に、当時流行っていた“千と千尋の神隠し”のハク(白い龍)と重なって。

 

わたし、そのとき、ハクにすごくハマッていた時期でして(笑)。一目惚れでした」(白龍くんママ=以下「」内同)。

 

柴犬,子犬

 

そのとき、白龍くんは生後1ヶ月半。小さな、小さな白龍くんと一緒に家に帰るまでの道、白龍ママは「世界で一番幸せにするからね!」と胸に誓ったそうです。

 

柴犬と家族

 

飼いはじめのしばらくは、犬ならぬ猫をかぶっていたという白龍くん。 “ぬいぐるみ”みたいな可愛らしさで、誰が触っても撫でても、大人しくしていたのだとか。

 

それが4歳半を過ぎるころから「ウー」と唸るように。白龍ママいわく「自我が芽生えました(笑)」。

 

そこからは、あまりの気性の荒さに一時は誰も触ることができなくなり、抱っこなどもってのほか、麻酔なしでは首輪もつけられない、気高いオレ様・白龍くんに大変身! 

 

それから今日までオレ様の日々がつづいているのだそうです。

 

そんな白龍くんですが、白龍ママが落ち込んでいるときや体調を崩したときなどは、そっと傍に来て寄り添ってくれるのだとか。

 

「守ろうとしてくれている、と感じる瞬間がよくあります。普段、こちらが撫でたいときは、傍で20分くらい過ごしてからじゃないとOKが出ないんですが(笑)。

 

頭が痛いときも、白龍の横で寝たら落ち着いたりして。不思議なんですけど」

 

柴犬

頭を預けて眠ると頭痛も吹き飛ぶモフモフ。スヤスヤ……

試しにはじめた手づくり食で様子が一変!

手作りごはんの本

本棚に並べられた「手づくり食」に関する本のほんの一部

 

 1歳1ヶ月から12歳を超えるまで、特に大きな病気もなく元気いっぱいだった白龍くん。

 

ただ白龍ママには、ずっと気がかりなことがあったといいます。

 

「ドックフードを出しても、全然食べてくれなくて。むしろドックフードを出すと、逃げるように去るんです。

 

でも、ごはんはあげなきゃいけないし、ドックフードは栄養が完璧だと信じていたので、心を鬼にしてあげていました。

 

ただ9歳を過ぎたころ、食後に白龍があきらかに不調を訴えるようになったのでさすがにこれは……、と」

 

病院でも原因不明で、何か良い方法はないものかとネットで情報を探し、辿りついたのが手づくり食だったといいます。

 

「当時は今よりずっと手づくり食に関する情報がなくて。

 

本屋さんを巡って、片っ端から買って、試して、の日々でした。

 

須崎恭彦先生や木村仲子さんの本など読み漁り、関連セミナーもリモートで受講しました」

 

手づくり食に切り替えてから、白龍ママが大きく感じた変化は3つあるそうです。

 

ひとつは毛艶があきらかに良くなったこと。17歳を過ぎた今でも毛艶の良さは健在で、近くで見ると“まるで光っている”のだとか。

 

柴犬

12年前の若々しく雄々しい姿。

 

「あまりの毛艶の良さに、散歩に出ていたころは、近所の人が車から身を乗りだして白龍を見るくらいで。ごはんでこんなに毛艶が変わるんだと驚きました」

 

2つ目は、白龍くんの食事への反応が180度変わったこと。

 

手づくり食に変えてからは、キッチンで準備をしているときからソワソワするほど、ごはんを楽しみにするようになったそうです。

 

そして3つ目は、ずっと悩まされていた重度の外耳炎が良くなったこと。

 

耳は、毛が抜け落ち、真っ赤な状態が常だったそうですが、手づくり食に切り替えてしばらくしたころに、治っていました。

 

「あまりに急に良くなったので、病院の先生も驚いていました」

 

柴犬

外耳炎が良くなり、耳の毛もふさふさになった白龍くん

 

その後、15歳を過ぎた頃、白龍ママが仰天する異変が起きました。突然、皮膚疾患を発症し、顔の毛がすべて抜けてしまったのだそうです。

 

「どうにかせねばと、新たに生食のセミナーを受けたり、皮膚科を受診したりしたのですが、どちらも白龍には合わなかったみたいで。

 

生食は下痢を繰り返すのでストップ。皮膚科の薬は飲めば飲むほど耐性がついてしまうので、免疫抑制剤も与えはじめたら、おしっこが出なくなってしまい。

 

ひきつづき手づくり食で様子を見ようとなりました」

 

それから約2年、17歳を過ぎたころ、なぜか急に毛が生えはじめ、すっかり元通りに!

 

その後、2021年11月にまた、左目付近の一部の毛が抜けてしまい今に至るそうですが、「免疫が下がったからかな」と、引き続き手づくり食で栄養をしっかりとらせようと試行錯誤しているとのことでした。

 

長生きしてほしいから。ママが選ぶこだわり食材

手作りごはん

大根は家の畑でとれたもの。野菜もオーガニックにこだわっているそうです

 

「一番の長生きの秘訣は、やはりごはんかなと思います。

 

献立のバランスは人間と同じで構わないと聞いたので、タンパク質、野菜、穀物を適量用意してあげています」

 

手づくり食をはじめたばかりの頃は、鶏肉や鮭をメインにし、ブロッコリーやおかゆを用意。

 

12歳を過ぎた頃から、秋刀魚、イワシ、メカジキなどの天然魚を焼いて出すことが増えたそうです。

 

「学生時代に栄養の勉強をしていたとき、先生が天然の魚は体にいい!と言っていたのが耳に残っていて。

 

当時の白龍が一番好きだったのは、マグロの刺身。この頃が一番、手づくり食の効果を感じられていたように思います」

 

柴犬

 

そして15歳過ぎからメイン食材にしているのが、栄養価の高い蝦夷鹿の肉。北海道からの取り寄せだそうです。

 

「鹿肉だけだとアレルギーになるそうなので、秋刀魚や鮭なども取り入れつつですね。

 

そこに旬の野菜、大根、小松菜、さつまいもなどをちょこっと。白米と玄米を混ぜたおかゆも添えています」

 

手作り食に変えてからは、とにかく食べることが大好きだという白龍くん。

 

17歳を過ぎてから飲み込む力が衰えたので、白龍ママが手で小さくちぎりながら、少しずつゆっくりと与えているそうですが、食欲は常に全開で「24時間食べることを考えていると思います(笑)」とのこと。

 

柴犬

 

【白龍くんの1日の食事】

・肉はスチーム後、レンジであたためたもの 130g
・魚は焼いたものを80〜100g

・オーガニックにこだわった旬の野菜(大根、小松菜、さつまいも等) 少々

・白米と玄米を混ぜたおかゆ 適量

 

食事以外に工夫してきたこと

柴犬

 

食事以外で心がけてきたのは「白龍の体を冷やしすぎない」ことだそうです。

 

もともと手足が冷えやすいという白龍くん。空調を新調し、電気毛布や湯たんぽなども併用しています。

 

だたし冬は暖をとりすぎると身体がのぼせきて具合が悪くなるので、温め過ぎないように注意深く暖をさましたり体勢を変えたりしているそう。

 

「あとはよくジイジが、白龍の手足をぎゅっぎゅっと握って冷えを防いでくれています。末端が冷えてくると落ち着きがなくなるので。

 

特に介護がはじまってからは、ジイジこと父に助けられることが多く本当に感謝しています。

 

食材を買いにいってくれたり、私が体調不良のときは代わりに面倒を見てくれたり……、白龍もジィジを大好きなわけです」

 

柴犬と家族

大好きなママとジィジと。取材時は甘えんぼモードだった白龍くん

 

また、白龍くんが転んだり、壁にぶつかったりすることが増えたので、ケガ防止のために、部屋の角は段ボールでカバー、床には分厚いマットレスを敷いたそうです。

 

また、日々の体調や表情から、白龍くんの求めていることを察せられるように心がけてきたと話す白龍ママ。

 

「今、幸せなんだろうな~と感じられるような笑顔が見えるとうれしくて。そういう時間を少しでも多く増やしてあげたいなと思いながら過ごしています」

 

家族になって17年。まだまだ絆が深まる関係と絆

柴犬

 

16歳手前から、介護が必要になった白龍くん。

 

「自力で後退したり、座ったりできなくなって。“あ、はじまったな”と思いました」

 

近所に犬を介護している知人がいない白龍ママは、ネットで情報収集などし、見よう見まねで介護生活をスタートしたそうです。

 

「一番つらかったのは白龍の生活が昼夜逆転したこと。

 

介護がはじまってすぐは、まだ私も働いていたので夜中に吠えると“なんで寝てくれないの…?”と、こちらもパニック状態でした」

 

白龍くんが完全に歩けなくなってからは、休職届を出し一緒に過ごすように。そこから関係性がまた変わってきたそうです。

 

「一緒にいる時間が増えていくと、白龍から、おしっこのタイミングを教えてくれるなど、私になるべく迷惑をかけないようにシグナルを発してくれるようになりました。

 

また、 “本当に私のやり方で合っているのだろうか…”と介護に悩み、心のうちをジィジに吐露していると、大丈夫だといわんばかりに力強く“ワンッ!”と吠えたり。普段は全然鳴かないんですけど……。

 

愛情ってちゃんと伝わるんだな、そして返してくれようとしているんだなと感じられる瞬間が増えて幸せです」

 

柴犬

寒い外も、ママの胸の中はあったかい。やさしい表情です

 

これからも、大好きなママのごはんでしっかりと栄養をつけながら、自慢の毛艶を輝かせ、“レジェンド柴”らしく、元気に長生きしてくれることでしょう。

 

取材・文/浅田よわ美

 

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