【取材】週3日のデートで認知症が劇的に改善!17歳の「はっぴー」が生きる理由は大好きな家族 #24はっぴー
平均寿命が12〜15歳と言われる柴犬。そこで我らが『柴犬ライフ』では、12歳を超えてもなお元気な柴犬を、憧れと敬意を込めて“レジェンド柴”と呼んでいます。そんなレジェンド柴たちのライフスタイルや食生活などにフォーカスし、その元気の秘訣や、老犬と暮らす上で大切だと思うことを、オーナーさんに語っていただくこの特集。
今回ご紹介するのは、保護犬や保護猫ボランティアに熱心なオーナー・塩沢さんが小学生の時に保護した犬が産んだ柴mix犬のはっぴーくん。この春もお花見散歩を楽しんだ彼は、自然豊かな環境で四季を感じながら穏やかに日々を生きているのです。
目次
はっぴーくんのプロフィール
年齢&性別
17歳の男の子(2004年1月4日)
体重
17kg(若い頃と変わらず)
好きなこと
散歩
既往歴
・16歳の夏に一時認知症の症状が現れる。
・認知症症状が改善後、急性腎炎も判明。そのため血尿や膀胱炎が出ることも。
迷い込んだ老犬が産んだ命は、名前通りの幸せな犬生を更新中
柴犬よりも一回り大きめの体格を持つはっぴーくんは、塩沢茜さんが小学4年生の時に保護した柴犬が産んだ子ども。
推定13歳くらいだった迷い犬は、塩沢さんの親戚宅で愛犬と一緒に飼われることになり、その2頭の間に産まれたのがはっぴーくんです。
6頭産まれたうち、唯一成長してくれた命。生まれた時から塩沢さんがミルクをあげ、初めての愛犬として夢中で可愛がりました。
そこから17年。1年前、16歳から年齢による老化症状が出始めるものの、それまではまったくの病気知らずでした。
「実家で飼っていたときは外飼いで、庭に置いた手作りのハウスが彼の定位置でした。
実家は森の中にある一軒家で、周囲は自然豊かな山。若い頃は度々脱走して山を一周して帰ってくることもあり、現在の犬の飼い方と比べるとかなりワイルドだったかもしれません。
ただ静かな森で伸び伸びと暮らすのが性に合っていたのか、ストレスの少ない環境が心身に良い影響を与えたのかなと思うんです」。
毎日長時間のお散歩で培った筋力、また幼い頃は母犬の母乳を独り占めし、たっぷり栄養をもらったであろう体。これも塩沢さんが考える健康長寿の理由です。
塩沢さんに会えないストレスで体が…
現在も目や耳は健在で散歩にも毎日行くはっぴーくんですが、16歳の時にあるきっかけで一気に体調を崩したことが。
その危機を救ったのは塩沢さんでした。
「私が去年実家から車で1時間かかる場所に引っ越したので、丸2ヶ月ほど実家に帰れない時があったんです。
すると急にはっぴーの食欲が落ち、夜鳴き、狭い場所に頭から突っ込み身動きが取れなくなる、定期的に大声で鳴くなど、認知症の症状が出始めて…。
ついに介護が必要になったと覚悟しました」。
病院へ行っても特に病気は見つからず、思い当たるのは“塩沢さんの不在”と言う一点。
「ハイシニアだから環境を変えたくなくて、はっぴーは実家で飼うと決めたけれど、まさか会えないストレスがこんなにも影響するのかと驚きました。
そこで週に3日は仕事前や仕事が終わってから実家へ行き、お散歩やお世話をすることに」。
すると驚くことに食欲が戻り、認知症らしき症状もピタリとやんだのだそう。
「当時は、実家に帰るたびに表情がどんどん戻ってくる姿が印象に残っています」。
生まれた時から一緒だった塩沢さんとの一緒に過ごす時間が、はっぴーくんにとっては何よりの薬、そして生きがいだったのです。
こうして体調は持ち直したものの、すぐに初期の急性腎炎が発覚します。そして今年のお正月には、大きく体調を崩してしまうのです。
体調不良をきっかけに変えた「夜はお家へ」のライフスタイル
急にご飯を食べなくなり、体をブルブルと震えさせていたはっぴーくん。診察の結果、低体温症に陥っていました。
「まずは体温を上げないとと、実家に泊まり込んで電気毛布をかけ、ひたすら保温。その時は寝たきりになり、栄養点滴を打ちに3日間病院へ通いました。
そして4日後、今度は逆に高熱になり、慌てて保冷剤を使って体を冷やして平熱に戻すことに。
この頃は終日外飼いではなく夜は玄関で過ごすようになっていたので、私は玄関に布団を敷いて寝ていました。
その後1週間くらいかけて少しずつ食欲が戻ったんですが、ちゃんと食べられるようになったら再び立てるようになったのです」。
その後フードは腎臓サポート用に切り替え、冬場は暖房を完備して寒くないようになど、このときをきっかけにライフスタイルをシニア仕様にシフト。
「若い頃は1日1食だったのを2回に分けて与え、今も毎日行く散歩ははっぴーのペースに合わせています」。
はっぴーくんに限らず、年齢や体調によって環境をアップデートするのはすべての犬にとって必須。
たとえ体調が特に悪くない子でも、病気を予防するために年齢に合せて住環境を見直しましょう。
2頭の妹分もよい刺激になって
実は塩沢さんにははっぴーくんの他に、ミニチュアピンシャーのメルちゃん、イタリアングレーハウンドのマリンちゃんという、結婚後に迎えた2頭の愛犬がいます。
マリンちゃんは元保護犬で、当初は人も犬も怖がっていたそう。しかし臆することなく可愛がり、喜んで受け入れたのが他でもないはっぴーくんだったのです。
「はっぴーは穏やかで人にも犬にも優しい性格。実家には3匹の保護猫もいて、どの子に対しても嫉妬せず自然に受け入れるんです。
メルやマリンもはっぴーのおかげで上手に社会化ができました。
はっぴーにとっては、自分よりずっと若い2頭との触れ合いが良い刺激にもなっているようで、実家に帰ると3頭で散歩するのも楽しみのひとつなんです」。
今から若返ることはないから…日々を精一杯お世話したい
1年前に急に弱ったはっぴーくんを見て、塩沢さんは改めて犬との向き合い方や介護について考えたそうです。
「“これからは弱っていくのが当たり前なんだ”とハッとしました。
だから今この瞬間に、できる限りのお世話をしてあげようと、その日にできる精一杯を目指すように。
今が一番幸せな状態でいてほしい、今日が元気ならそれがはっぴーにとってのベストなんだと考え、はっぴーが寿命を全うできるようサポートするのが私の役目です。
これからも大きく環境を変えず、命が続く間は日々精一杯のお世話をしようと決めているんです」。
そう教えてくれた塩沢さんは、多頭飼いしたからこそわかるはっぴーくんとの絆も感じていました。
「室内飼いの犬を迎えて初めて、外飼いの子は家族と過ごす時間が少ないと気づきました。
けどはっぴーはメルやマリン以上に私の言葉が通じるので、きっと一緒にいる時間にたくさん話しかけていたんだなと思っています。
また私もはっぴーの表情で彼の気持ちが分かるし、体調が悪い時は私にだけそれを示してくれます。
長い年月を過ごすことで、濃厚な絆ができているんですね」。
仕事が忙しくとも週に3日は必ずはっぴーくんに会いに行き、子供の頃から温めた絆をより強くするママさん。
迷子犬を保護したことがはっぴーくんとの出会いでしたが、その頃から保護犬や保護猫の活動に興味を持っていたそうで、現在はヨガインストラクターの資格を生かし、講習費用を保護猫ボランティアに募金する「猫ヨガ」活動しています。
猫ヨガ情報については、塩沢さんのインスタアカウント( @yogaakane)に詳細が載っていますので、興味のある方はぜひのぞいてみてください。
また、名古屋市内にある保護猫カフェ『めおまるけ』でのお手伝いも。
うちの子以外の命も大切にできるほど大きな動物愛を持つ塩沢さん。そんな塩沢さんからもらう愛情こそが、はっぴーくんにとっては最大の長寿の薬なのかもしれませんね。
取材・文/横田愛子
★「#レジェンド柴」で投稿お待ちしています!
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