オシッコの量が多い・少ない場合に考えられる病気
オシッコの量や回数から病気を推測することができます。たとえば、オシッコの量が多くなる場合は、腎臓病や糖尿病、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などが考えられます。反対に量が少ない場合は、脱水している可能性が考えられます。何度もトイレに行くのに少ししか出ないなどの頻尿が見られた場合は、膀胱炎や尿道が閉塞している可能性も。
そして、これらの病気は生命にかかわる怖いものばかり。少しでも量や排尿姿勢に変化があらわれた場合は、すぐに病院へ行くようにしましょう。
それでは、オシッコの量から考えられる病気をご紹介します。

Grisha Bruev:shutterstock
オシッコの量が多い
◆糖尿病
糖尿病って、なんとなく食べ過ぎたり太っていることが原因でなるようなイメージがありませんか?人と猫はそうなのですが、犬はちょっと違うんです。
痩せていても、食事に気をつけていてもなってしまいます。
犬の糖尿病は副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や未避妊の女の子のホルモンが影響し、体がインスリンに対して抵抗性を示し、一生懸命膵臓からインスリンを分泌しようとした結果、膵臓は疲れてしまいインスリン分泌が欠如し、糖尿病となります。
水を大量に飲む、食べていても痩せる場合は要注意

獣医師:堀江志麻先生
糖尿病になると、のどが渇きやすく水を大量に飲むようになります。食欲旺盛で食べているのに痩せてしまう子もいます。
これはインスリンの分泌量が減り、細胞が糖をうまく取りこめず、糖が血液中にあふれてしまうので体はなんとかその糖を薄めようと大量にお水を飲みます。その結果オシッコも大量になるのです。
進行すると、昏睡状態になることも
糖尿病となった体は食事からは栄養を吸収することができなくなるため、自らの筋肉や脂肪から栄養を取ろうとするため痩せてしまいます。
状態が進行すると、急性合併症(ケトアシドーシス)を引きおこし、昏睡状態になって死亡するケースも。
愛する柴犬が、最近食べているのに痩せてきた、お水を大量に飲むなどの症状があらわれた場合は、すぐに病院で受診しましょう。
◆副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)はその名前からすると、副腎という臓器の病気のようですが、じつは、脳の下垂体腫瘍が原因であることが90%以上。
犬は副腎皮質機能亢進症の発生率が高い動物です。
オシッコ以外の症状:水を大量に飲む、毛が薄くなる、皮膚が黒くなる
症状として水を大量に飲みオシッコの量が増える傾向にあります。
その他の症状として、毛が薄くなったり、皮膚が黒く色素沈着してくることも。
さらに症状が進行すると、お腹が膨れたり呼吸が苦しくなるなど命にかかわる病気なので、症状があらわれたらすぐに病院へ行くようにしましょう。
◆子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)※女の子のみ
避妊手術を受けていない女の子の場合、子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)を患うことがあります。
主な症状として、水をたくさん飲んでオシッコの量が増えます。子宮に限ったことではありませんが、体の中で強い炎症が起きると、その炎症をしずめようと副腎という臓器からステロイドホルモンが分泌されます。
その副作用として、非常に喉が渇き水をたくさん飲むのです。また、外陰部から膿や血液の混じった分泌物がでることもあります。
進行すると腎不全や貧血になり、最悪死亡するケースもあるので注意が必要です。
早い子では3歳でなる子もいます。避妊手術をしていない女の子は、元気食欲がなくなった場合、この病気の可能性もあるのですぐに病院で受診しましょう。
オシッコの量が少ない
◆脱水
どんな病気であれ、体調が悪くなり食事や水の摂取量が減少すると、体の循環が悪くなります。
また、夏場などは熱中症にも気をつけなければなりません。暑さで一生懸命呼吸をして熱を蒸散させようとした結果、体の水分量が減少し脱水していまいます。
脱水すると当然おしっこの量も減少。生きていく上で水分は何より大切です。おしっこの量が少ない、と感じたらすぐに病院で受診しましょう。
◆前立腺肥大 ※男の子のみ
高齢になって睾丸の働きが低下すると、性ホルモンのバランスが崩れ前立腺が肥大化します。
すると、直腸を圧迫したり、前立腺の中を走行する尿道が圧迫されてウンチやオシッコをするのが困難になります。
軽度の場合は薬で治療ができますが、重度になると手術をしなければなりません。前立腺肥大は高齢になってからかかりやすく、麻酔リスクも年齢に比例して高まります。
この病気は去勢手術をすることで防ぐことができるので、子犬をむかえた時に家族や獣医師さんとよく話し合った上で去勢手術をするのもひとつの方法です。
◆腎機能障害
腎臓は体にとって必要なものを再吸収し、不必要なものをオシッコとして排出してくれる大事な器官。腎機能障害になると腎臓で濾過作用がうまく働かず、飲水量やオシッコに変化が現れます。
腎機能障害には「急性」と「慢性」があり、それぞれ症状が異なります。
腎機障害は最終的に腎不全になると命に関わるため、十分注意が必要です。
急性に見られる症状
一例)尿道閉塞
急性腎機能障害の場合、急な尿量の減少・嘔吐や下痢・食欲の低下・脱水症状があらわれます。
慢性に見られるその他の症状
慢性腎機能障害の場合は、多飲多尿・元気がなくなる・嘔吐や下痢などの症状があらわれます。
最後に…

獣医師:堀江志麻先生
オシッコの量が多い・少ないという症状は、命にかかわる危険な病気である可能性が高いです。すぐに病院へ行き、必ずその旨を伝えるようにしましょう。
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