『まさかだった』ーアキナ山名とおまめのラブい日々#22
お笑いコンビ「アキナ」の山名文和さんは、2020年6月9日に愛柴のおまめを迎えました。保護犬施設からやってきた彼女は、当時8歳。
長年夢みてた“柴犬ライフ”を、ようやく実現した山名さん。おまめとどのように出会い、どんな生活をおくっているのでしょうかー。
アキナ山名と柴犬おまめの最高にラブい日々を、山名さんご本人が綴っていきます。
#22は、まさかの出来事ー。
『まさかだった』ーアキナ山名とおまめのラブい日々#22
おまめの皮膚の調子が、どうにも悪い。程度こそあるが、この一年顔の毛が、特に目の周りが抜け落ちてきた。病院に行っても、アトピーということで向き合うしかないかあ、耐えてもらうしかないのかと思ってた。アトピーは今始まったことじゃないし「どこかがおさまれば、次は別のところに出てきたりするよ」って先生に言われたから、そんなもんかとたまにやって来る無闇な不安も少し落ち着いた。
先日、以前犬の皮膚病の学会に参加させて貰いそこでぐっと距離を縮めさせて貰った先生から連絡が来た。「おまちゃんの調子はどうですか」って。状況を伝えると先生は病院を紹介してくれた。
先生曰く、動物病院の先生は、非常に多忙。当たり前だと思うかもしれないけれど、僕らが思っている以上に何倍も大変な職業だと聞いた。そりゃそうか。犬、猫ですでに二種の個体を学ぶことになり、学ぶことが膨大。診る動物はもっと他にも。犬の皮膚となれば、沢山いる動物の中の、ほんの一部の症状。そう考えれば、獣医の方は凄いし、可哀想だ。少しのミスで周りからぼろくそ言われたり。そもそも、治してくれるだろう、と思い込んで、場合によっては決めつけて僕たちが病院に行くのはちょっとわがままに思えてくる。
先生に幾つか病院を教えて貰い、家から一番近い病院に行くことにした。
「顔に出るのは、ほぼ間違いなくフードアレルギーです」と言われて驚いた。「ご存知かとは思いますが」と付け足されて、顔が赤くなった。初耳だった。今まで色々な病院に行ったし、少しは自分でも学んだつもりだった。おまめが家に来て、ほぼ四年。指定のドッグフードのみを食べて生きるおまめが可哀想で、家に来て数ヶ月で手作りに変えた。出来るだけ考慮して、おまめには与えてきたつもりだった。アレルギー検査もした(もちろん曖昧なもので、身体は変化するから絶対ではないことも知っている)し、ひっかかるようなものを与えている覚えはない。
「この一年で変えたものはありますか」と聞かれても思い当たる節はない。与えている食材と、皮膚ケア用のドッグフードも栄養バランスをとるためにたまに混ぜていることを伝える。
「ドッグフードかもしれないですね」
そんなはずはないと、ドッグフードの内容物を調べて見せた。皮膚ケアに特化したフードだったから、胸を張って見せた。
「あぁ、これだけ食材が使われているとありえますよ」
そう言われると、返す言葉はない。
「とりあえず指定のフードにしてみて一度様子を見てください」
幾つかの種類から一つ選んで注文した。病院からではないと買えないやつ。
きっとほとんどのことは、後になってからようやく気づく。正解とか間違っていたとか。何かを始める時、心底それが正解だと思い込んで、思うようにして、信じて、場合によっては息巻いて。その気持ちが強いほど、振り返ることなんかしない。自分が正しいと思う時、人は反省しなくなる。いいのかわるいのか。本当は、正解だけを叩き出し続けて、すぐにゴールに向かいたい。でも、残念ながら人生はそんなふうにはできていない。遠回りや寄り道を余儀なくされる。純喫茶みたいな優しい寄り道ならいいが、決してそんなことはなく。暗い道をひたすら歩く時もあれば、知らんおっさんにねちねち嫌味を言われ、金持ちのおばさんが綺麗な時計を見せびらかしてきて、不覚にも羨ましいと思ってしまうときがほとんど。一番厄介なのは、正解が自分にとっていいことで、不正解が悪いことかどうかは曖昧なこと。なにか成し得たとして、その間に誰かの大切なものを踏みつけていたら、途端にすっきりしなくなる。結局は、後悔しない選択を毎日繰り返すこと。それでも後悔があるから尚更。
フードが届く。おまめには申し訳ないが、数日我慢して食べてもらった。
なんとまあ。一週間も経たずにみるみる綺麗になりだした。黒ずんだ皮膚に真っ白な毛が生えだし、驚いた。外耳炎と言われた耳も治りだした。とりあえず今は、様子を見ながら以前あげていたものも少し混ぜながら試している。恐らく、このままいけば。よしよし、いけいけ、この際なにもかも悪いもん消え去れ、と願っている。
【プロフィール】山名文和(アキナ)
1980年7月3日生まれ。2012年、秋山賢太とお笑いコンビ「アキナ」を結成。
レギュラー番組を多数抱えるほか、『キンブオブコント』『M-1グランプリ』『THE MANZAI』で決勝進出を果たす。
愛柴は、保護施設から迎えたおまめ(11歳)。
おすすめ記事
-
世界でいちばん大切な柴犬が、アレルギーに立ち向かう物語【Ta-Taってなんだ?】
「柴犬は丈夫で、病気にもなりにくい犬種である」。
まことしやかに囁かれるこの文言ですが、ほんとうにそうでしょうか?
もちろん、犬種としての完成度がとてつもなく高い柴犬だから、そういった側面はあります。
でも、いざそれぞれの個体を見ていくと、丈夫で病気にもなりにくい、とは言えないような気もするのです。
実際に「病気にならない」などということはないし、飼い主はそのためにやるべきことがある。
今回は、柴犬に関わる方たちすべてに読んで欲しい、ある柴犬とその家族のお話。
ご本人からのレポートは、愛情たっぷりで示唆に富んだ物語でした。
※文章はご本人の了承を得て編集しています
エッセイ
※画像はすべてイメージです
※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません -
【取材】ハワイの柴犬に会ってきました!10頭が集結!
日本を代表する犬といえば、我らが柴犬。
ところが近年、世界中で柴犬ファンが増えています。そんな中「柴犬ライフ」が目をつけたのは、南の楽園ハワイ。柴犬オーナーが多く、定期的にオフ会まで開催されているとか。
そんな噂を聞きつけ、今回はハワイの柴犬たちを取材してきました!
海外取材 -
【インタビュー】お笑い芸人・ニューヨーク屋敷、「拒否柴」を掘る。
世界中の人々を魅了する「拒否柴」。彼らのすべてが詰まったその行動は、柴犬を語る上では外せません。そして拒否柴がここまで話題になるのは、“映える”ことも理由のひとつ。
では…拒否柴を「版画」にしてみたら、どんな作品ができあがるのでしょうか。
最近版画製作を始めた、お笑いコンビ「ニューヨーク」の屋敷裕政さんに、拒否柴を掘っていただきました! インタビューと合わせてご覧ください。
取材 -
「くっっっさ!」耳をほじった足が臭すぎてビクッとなる柴犬。最後足を隠してて笑う【動画】
今回登場するのは驚いてしまった柴犬たち。そうはいっても誰かにビックリさせられたとか、なにかアクシデントが起きたとか、そういうことが原因ではありません。全ての原因は彼ら自身にあったのです…!
-
ゆっくりゆっくり登場する柴犬に「外で見るんじゃなかった」「表情がいい」と爆笑【動画】
柴犬を下から見る…たったそれだけでいつも見ているものとは違う光景が目に飛び込んできます。つぶらな瞳はさらにつぶらに見え、モフモフのお顔はさらにモフモフに見えます。これはクセになる…!
-
【取材】「ときろう」が望むバランスで関わる。17歳まで元気でこれた秘訣は干渉し過ぎない距離感 #38ときろう
平均寿命は12〜15歳と言われる柴犬。そこで我が『柴犬ライフ』では、12歳を超えてもなお元気な柴犬を、憧れと敬意を込めて“レジェンド柴”と呼んでいます。 この特集では、レジェンド柴たちのライフスタイルや食生活などにフォーカスし、その元気の秘訣や、老犬と暮らすうえで大切だと思うことを、オーナーさんに語っていただきます。今回登場してくれたのは、17歳のときろうくん。小さい頃から食が細かったため、何でも食べさせてきたということですが、そんなときろうくんの長寿の秘訣とは。
-
「オモチャ置いてきなさい」と言われた柴犬が最後にとった行動に爆笑【動画】
ふとした瞬間、柴犬から出てしまう人間っぽさ。特にちょっとイラッとした時なんかは、人間っぽさを隠す気などないように見えます。もしかして本当の本当は、中身は人間なんじゃ…?
-
【“既視感ゼロ”の柴犬グッズが爆誕!】ウ◯チ姿が愛おしすぎるコラボプロダクトがついに完成!
柴犬を心の底から愛している私たち。とくに柴スマイルやオコ柴、拒否柴は彼らの特徴があらわれていて大好き。
でもちょっと待て…もうひとつ、忘れてはならない愛おしいシーンがあったぞ。それは、背中を丸めて“ウンチなう”の姿だ。
そこで私たち柴犬ライフは、ドッグブランド「PEGION(ペギオン)」とコラボしてオリジナルの柴グッズを製作!
柴犬と暮らす人もそうでない人も、とにかく柴犬を愛してやまない皆さまへ。とんでもない柴グッズが爆誕です!
ストア情報
特集
-
柴犬(しばいぬ)の性格/基本情報
柴犬のからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
豆柴(まめしば)の性格/基本情報
豆柴のからだの特徴や性格、歴史など基本情報をご紹介!
-
子犬/はじめての柴犬(しばいぬ)
柴犬ビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
柴犬ライフ ストア
厳選&オリジナルの柴グッズが勢ぞろい!
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】レジェンド柴の肖像ー12歳を超えて
12歳を超えた柴犬を取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】保護柴と家族になって
-
【マンガ連載】こいぬと柴犬
「柴犬ライフ」オリジナル作品!
-
【連載】アキナ山名とおまめのラブい日々
山名さんご本人が綴る“柴犬ライフ”エッセイ。
-
【特集】柴犬のお悩み解決NOTE
ドッグトレーナーがみなさんのお悩みに応えます!
-
柴犬 病気辞典
獣医師監修のShiba-Inu Lifeオリジナル病気辞典。あなたの愛する柴犬を守るための情報満載
-
柴犬里親/保護犬情報
Shiba-Inu Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
SHIBA-INU LIFEとは
柴好きによる、柴好きのための、柴犬情報メディアです。その規模は、日本最大級!