2021年8月13日11,410 ビュー View

【取材】16歳で富士山登頂も成功!丈夫な体を作ったのは日本中の山登りとカリカリご飯 #14りんご

平均寿命が12〜15歳と言われる柴犬。そこで我らが『柴犬ライフ』では、12歳を超えてもなお元気な柴犬を、憧れと敬意を込めて“レジェンド柴”と呼んでいます。そんなレジェンド柴たちのライフスタイルや食生活などにフォーカスし、その元気の秘訣や、老犬と暮らす上で大切だと思うことを、オーナーさんに語っていただくこの特集。今回は16歳にして、なんと富士登山も果たす丈夫な足腰の持ち主、りんごちゃんの登場です!

りんごちゃんプロフィール

柴犬

年齢&性別

16歳の女の子

体重

7.4kg(MAX 8kg)

大好きなこと

歩くことと食べること!

既往歴

・5歳で避妊手術。

・14歳頃、腎臓の数値が悪化。療養食で改善したが、その後も気を付けている。

・16歳頃、後ろ足に震えが出るが食事で改善。

 

ツンデレな山ガール!

柴犬

 

歩くこと、出かけることが大好きなりんごちゃん。散歩は1日3〜4回、そしてオーナーの渡邊さんと山登りにも行くという健脚犬です。

 

2,000mを超える山にも登っていて、取材後にはなんと富士山に挑戦予定(無事に登頂成功したそうです! おめでとう!!)。

 

犬より人が好きで、性格は気が短いツンデレタイプ。縄張り意識は強めです。

 

相棒犬のチワワ・ちっちちゃんとは、適度な距離感で仲良く暮らしていますが、ときには威嚇してしまうこともあるそう。

柴犬

 

そんなやんちゃガールももう16歳。ですが、今でも自分で食べ・歩き・出す(笑)の元気な三拍子ライフを送っています。

 

その秘密は、ケガも病気もほとんどない丈夫な体と、渡邊さん夫妻の“ある選択”にありました。

 

丈夫な体を作ったご飯や山登り、そして人の生き方にも通じる“選択”のお話など、りんごちゃんの元気の秘訣を伺いました。

 

カリカリで歯を鍛える

柴犬

 

食べるのも大好きなりんごちゃんは歯も丈夫。市販のドライフードが基本ですが、その食べ方に先代犬の教訓が活かされています。

 

「年代ごとのタイプに変えてはいますが、仔犬の頃からベースはずっとカリカリです。

 

シニアになって食べたり食べなかったりもありましたが、ふやけさせて柔らかくしたりはしていません。

 

先代犬が柔らかいものばかり食べていて歯が悪かったので、りんごはそうならないように硬いものを食べさせています」(渡邊さん=以下「」内同)。

 

歯が弱った子には柔らかく食べやすい食事が必要ですが、大丈夫な内は適度に硬いものも食べさせて、りんごちゃんのように丈夫な歯をキープしてあげたいですね。

柴犬

 

「それから、トッピングは体に良さそうなもので、食べたがるものをあげていました。ブロッコリー、サツマイモ、ササミの茹で汁(汁のみ)、キャベツなど。

 

キャベツは、腎臓が弱くなってからは水に浸して与えています。これはお医者さんのアドバイスで、腎臓に悪い成分が除かれるそうです。

 

もうひとつお医者さんから勧められたのが、認知症予防のいりこです。犬用のものを毎日2本ずつあげています」

 

食事のタイミングは基本的に朝晩2回で、朝食べなかったら昼に回すなど柔軟に。

 

また、おやつは市販のジャーキーなどを普通にあげているそうです。

柴犬

 

「カリカリは、腎臓が弱くなってから療養食(ロイヤルカナン『腎臓サポート』)に変えました。

 

お医者さんからは療養食だけを食べ続けた方が良いと言われましたが、ちょうどその頃、足に震えが出るようになって。

 

長生きのワンちゃんがいる知り合いからのアドバイスもあり、筋肉のために生肉やサプリを足すことにしました。

 

すると食い付きが良くなり、体重も増えて足の震えもなくなったんです」

柴犬

 

療養食のおかげで腎臓の状態は良くなったものの、体重が落ち、筋力も弱っていたそう。

 

いつまでも大好きな散歩ができる体でいてほしい。その想いで、今も腎臓の数値を見ながら調整を続けられています。

 

なんと『富士山』も制覇!

柴犬

 

モリモリ食べてどんどん歩くりんごちゃんですが、一番好きなのはお出かけと山登りです。どちらも渡邊さんの愛情から始まりました。

 

「散歩も大好きなんですけど、お出かけのときは表情が違います。本当に嬉しそうに輝いているんです。

 

できるだけ一緒にいたくて連れて行くようになったのですが、その表情が見たくて、どんどんお出かけするようになりました。

 

北海道から沖縄まで色々行きましたが、犬たちの体力を考えて、早朝からお昼頃までの日帰りが多かったです」

 

輝く顔が見たいから⋯なんて素敵な理由でしょう! 見つめる渡邊さんも笑顔が輝いて、いつもキラキラ合戦になっているのでしょうね。

柴犬

 

では、山登りを始めた理由は?

 

「元々私の両親が登山好きで、私も子どもの頃から行っていました。

 

りんごたちは登山には一緒に行ってなかったのですが、4〜5年前から、歩けるシニアになってほしくて連れて行くことにしました。

 

おかげで筋力も付きましたし、登山後は食欲もすごかったので、やっぱり人も犬も、体を動かすのは大事だなと実感しました」

 

1年前までは登りもくだりも自分の足で歩いていたりんごちゃんですが、今は年齢を考えくだりだけに。

登山する柴犬

 

登りはというと、なんと渡邊さんが背中に担ぎます。例えば取材直前に登った標高1,600mの日向山では、往復4時間の内、3時間が登りです。

 

「私も相当きついんですけど、さすがに登りはりんごの負担になるだろうと思って。

 

だけど背中で時々“歩きたい!”とフニフニ鳴くので、平らなところや頂上では歩かせています。

 

チワワのちっちは、登りもくだりも楽しそうに歩いています」

柴犬

 

ちっちちゃんも小さな体ですごいですね! 因みにこれまで登ってきた山は、

 

・富士山 3,776m

・金峰山 2,599m

・大菩薩嶺 2,057m

・石割山 1,413m

・大山(おおやま)1,252m

・棒ノ折山 969m

 

などなど。りんごちゃんの健脚も驚きですが、渡邊さんの体力と気力には脱帽です!

 

実は大家族でした

柴犬とチワワ

 

現在はりんご&ちっちコンビで仲良く暮らしている渡邊家のドッグチームですが、以前はフレンチブルドッグや猫も同居していました。

 

「一番多かったときは、りんごとちっちのほかにチワワとフレブル、そして猫もいたので、全部で5頭でした。

 

性格はそれぞれでしたが大きなトラブルはなく、唯一、りんごの縄張り意識が強くて、フレブルの子に噛み付いたことがありました。

 

そのことがあったので、ちっちが来たときは、りんごとは柵で区切って別々のスペースにしていました。

 

2頭は中々なじんでくれず、柵を取るまでに結局5年くらい掛かりました」

柴犬とチワワ

 

柵を取って数日後。外出から戻り、同じソファの端同士で穏やかに過ごす2頭の姿を見て、渡邊さんはやっと一安心できたそうです。

 

先住のチワワとフレブルは早くに亡くなってしまい、また猫は別の部屋にいることが多かったため、それ以降は特に何もなかったとのこと。

 

りんご&ちっちも家の外では最初から仲良しだったそうなので、やはりりんごちゃんの縄張り意識が原因だったようです。

 

多頭飼いのトラブルは様々だと思いますが、時間をかけてじっくりと原因を探れば、対処できることもありそうですね。

 

『幸せのため』の選択

柴犬

 

最後に、現在の暮らしぶりと、渡邊さん夫妻が悩んだ末に行なった“選択”について伺いました。

 

「介護的なことはしていません。まだ元気だからということもありますが、なるべく甘やかさず、何でも自分でさせています。

 

勝手に“できないだろう”と決めつけると、りんごの生きる力を奪ってしまうんじゃないかと思うんです。

 

たまにじっと佇んでいたりすると心配になりますが、そんなときも、体調が悪くなさそうならそのままにして見守っています。

柴犬

 

ただ腎臓のことがあるので、おしっこのケアは気を付けています。回数が多く、家の中ではしないので、日に4回散歩に行っています。

 

朝は5時半から30分。昼は早ければおしっこだけですが、長いときは30分〜1時間。夕方は軽めに。夜は様子を見て長く歩くときもあります。

 

若い内に家でもできるよう慣れさせておけば良かったと、おしっこだけは少し後悔がありますね」

柴犬

 

まだまだ元気なりんごちゃんですが、実はここ数カ月、腎臓の数値があまりよくありません。

 

「腎臓を悪くしてから、療養食だけにするか、食欲や筋肉のためにほかのものも与えるか、ずっと悩んできました。

 

ですが、やっぱり自分の足で歩けて、食事も自分でできる方が良いと思うんです。

 

すごく葛藤しましたが、歩くことと食べることが大好きなりんごだから、きっとそれを望んでいると思います。

 

そして、それは私たち夫婦が自分に望む生き方でもあるんです」

柴犬

 

腎臓の様子を見ながらではありますが、体力がつくもの、食べたいものを食べさせると決断した渡邊さん夫妻。

 

りんごちゃんの気持ちだけでなく、自分たちならどう生きたいかも考えて出した答えでした。

 

愛犬のために日々積み重ねる、健康的な食事や運動、そしてストレスのない楽しい暮らし。

 

そんな日々が実って長生きしてくれたら、その時この子はどんな生き方を望むだろう。その望みは、どうすれば叶えてあげられるだろう。

 

それは正解のない難問です。

 

でもその時が来たら、悔いのない決断をして、最後まで寄り添ってあげたい。犬と暮らす家族なら誰もがそう願います。

 

もしかしたら、賢い犬たちは私たちのそんな想いをちゃんと知っていて、安心して老後を迎えているのかもしれません。

 

山頂の景色を楽しむりんごちゃんの笑顔を見ていると、そんな希望が湧いてくるようでした。

柴犬

 

取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)

 

★「#レジェンド柴」で投稿お待ちしています!

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