2022年8月28日7,416 ビュー View

【取材】鯛出汁おじやが好物な17歳1ヶ月のグルメ柴!長寿の秘訣は「手作りごはんと海散歩」  #31べに

平均寿命は12〜15歳と言われる柴犬。そこで我が『柴犬ライフ』では、12歳を超えてもなお元気な柴犬を、憧れと敬意を込めて“レジェンド柴”と呼んでいます。 この特集では、レジェンド柴たちのライフスタイルや食生活などにフォーカスし、その元気の秘訣や、老犬と暮らすうえで大切だと思うことを、オーナーさんに語っていただきます。今回は、神奈川県・茅ヶ崎に住むべにちゃんが登場。17歳を超えても朝夜しっかり食べ、お散歩もし、トイレの失敗もほとんどないというべにちゃんの元気の秘訣とは――? ママと娘の志保さんのお2人にお伺いしました。

 

べにちゃんプロフィール

柴犬

年齢&性別

17歳と1ヶ月の女の子(2022年8月現在)

体重 

9.5kg前後

大好きなこと 

散歩、食べること(特に鯛出汁おじや、リンゴの信濃ゴールドが大好物)

既往歴

・15歳の誕生日を数日後に控えた頃、急性すい炎に。家中を歩きながら吐く。その後、慢性すい炎と診断を受け、油っぽい食事は避けるように。

・16歳になってすぐ、夜中に歩き回ったり、立って寝たりとこれまでと違う行動が見られるように。認知症のはじまりだと診断を受け、それからは犬用栄養補助食品『メイベット』を今日までずっとあたえている。

 

生後2か月から、すくすく育って17歳!

柴犬

2005年、べにちゃんが初めてやってきた日。

 

好きなもののひとつはリンゴ。と言っても、リンゴなら何でもいいわけではありません。

 

一番大好きなのは、味わいのバランスが良く“通好み”のリンゴと言われる品種・信濃ゴールド。同じく味わいのバランスの良い“ふじ”も嫌いではないようです。

 

そんなグルメなべにちゃんが、べにちゃんママ・パパ・姉妹と家族になったのは、今から約17年前のこと。

 

べにちゃんが家に来るまで、ママは前に飼っていたワンちゃん(11歳・ミックス)を失い、失意の底でした。

 

「自分では分かりませんが、娘たちに言わせると、ペットロスに陥っていたようです。仕事などは普通に行っていたものの、他のワンちゃんの散歩を見るのが辛くて、近所のワンちゃんの散歩タイムである夕方は外出を避けていました」(ママ)。

 

しかし約半年ほど経ったころ、「犬を飼いたい」と思うように。近所にあったブリーダーに連絡し、出会ったのがべにちゃんでした。

 

「小さな頃から結婚するまで、実家で柴犬や秋田犬を飼っていて、もともと日本犬の顔立ちには親しみがありました。

 

そこで、ブリーダーさんに柴犬のメスがいいと伝えたところ、生後2ヶ月のべにが来て。初対面で『決めた!』と即決でした」(ママさん)。

 

17歳を超えてなお、朝晩しっかり食べ、散歩にも行き、トイレも失敗もほとんどしないというべにちゃん。

 

長寿の秘訣は何なのか? そのひとつはママお手製の“お出汁たっぷり・手づくり食”でした。

 

柴犬

ママのお孫さんのことを自分の娘だと思っているというべにちゃん。今はもう中1になった“娘”との海散歩の様子。

 

「出汁たっぷりのおじや」が元気の源

犬のごはん

グルメなべにちゃん。左がメイベット入りの前菜。右が魚だしの手作り雑炊。

 

「前の子のときから、手づくり食を与えていました。アレルギー症状で毛が抜けてしまった際、手づくり食が良いと聞いたのがきっかけです。

 

よく出すメニューは、煮干しや鯛のあらで出汁をとったおじや。野菜の皮や鳥胸肉など、刻んだものをかけたり、魚以外の食材も含めるようにしています。べには麺類も好きですね」(ママさん)。

 

柴犬

麺類も大好き!

 

朝と夜、一日2食をしっかり食べるというべにちゃん。朝も夜もドックフードにくわえ、前菜を含む手作り食のセットという献立が、仔犬期から今日まで変わらない基本だそうです。

 

「シニア期になり、ドッグフードをロイヤルカナンのカリカリに統一しました。その他、犬用栄養補助食品・メイベットも毎日あげています。

 

メイベットは『消化器サポート(低脂肪)ウェット缶』にかけたり、絹豆腐にかけたりして、メインの前に前菜として与えています」(ママさん)。

 

前菜、メインの2品を毎日朝晩に堪能しているとは、聞いているだけで元気が出てきそうな、柴犬ならヨダレも垂らしてしまいそうな献立です。

 

さらに一日3回、夫妻が食事をする際には必ず近くに来て“おねだり”もするのだとか。

 

1日5回のおいしいひとときを堪能するべにちゃんなのでした。

 

お散歩大好き!海も大好き!

柴犬

海を散歩するのが大好き。

 

食事以外に、健康のために続けてきたことも。

 

「朝夜のお散歩だけは欠かさずに行っています。夜、仕事でどんなに遅くなったとしても、行っていましたね。

 

朝6時半に起こしたら7時前に約30分散歩に出て、そのあと朝ごはんを食べる。夜は昼寝しているべにを16時半くらいに起こして1時間前後散歩に行き、そのあと晩御飯。この流れはずっと変わっていません」(ママさん)。

 

散歩中、ぺースがゆっくりのためか「何歳?」と声をかけられることも多いそう。年齢を答えると拍手されることも。レジェンドならではの、スター感溢れるエピソードです。

 

柴犬

今も自分の足で浜辺をお散歩しています。

 

ちなみにお散歩の他、べにちゃんが楽しさに目覚めたことに“海”があるといいます。

 

「去年の3月に母の実家のある茅ケ崎に引っ越してきました。それで、一緒に海に行ったら、もう帰らないし、ドロドロになるまで遊んで大変で(笑)。

 

大興奮して海へザブザブと入っていこうとしたり、1時間以上いたかと思います。今は浜が暑すぎて連れて行けないので、また暑さが落ち着いたら一緒に行きたいですね」(娘・志保さん)。

 

分離不安ストレスをかけないように

柴犬 

もうひとつ気をつけていることが、何か用事で外出する際も、べにちゃんをひとりにしないこと。ペットホテルに預けたりせず、ママかパパのどちらかが必ずいる状態をつくっているそうです。

 

「普段は結構クールな反応なのですが(笑)、家族の姿が見えなくなると不安みたいで。トイレやお風呂を覗くんです、これは仔犬の頃からそうですね」(ママさん)。

 

「分離不安気味だなと思ったのはべにが12歳のとき。両親が海外旅行に行くのにペットホテルに預けたのですが、2日目に胃腸炎になったと聞いて、え~!?と。

 

急いで、妹と迎えに行ったらキュンキュン鳴いて私たちからまったく離れようとしませんでした。両親が帰ってきたら部屋中を駆け回ってこれまでにないほどの熱烈歓迎の舞でした」(志保さん)。

 

柴犬

いつもママにべったり。

 

そんな反応ははじめてだったそうで、そんなに懐いてくれているのかと驚いたと話すママさん。

 

それからしばらくはくっついたり、腕まくらをせがんだり。実は甘えん坊なツンデレなんだなと思ったそうです。

 

「不要なストレスをかけないように、今はわたしか夫のどちらかは必ず家にいるようにしています。2人で出かけるのかもと思うと、ソワソワし出して拗ねてしまうというのもあるのですが……(笑)」(ママさん)。

 

(cap)志保さんに留守番をお願いしてママが出かけても、ママが帰ってきたら拗ねているらしいべにちゃん。抱っこすると「フン!」と怒られるそうです。

 

今の暮らしに思うこと

柴犬

お散歩とご飯以外はほぼ寝て過ごす。

 

先月(2022年7月)の17日、17歳を迎えたべにちゃん。

最後にシニアになって起こった暮らしの変化、これからのことについてお聞きしました。

 

「17歳になって、変化があったこととしてはトイレでしょうか。夜、ときどきうんちを漏らすようになりました。なので、今は夜だけおしめをしています。

 

21時半くらいにおしめをしたら寝に行きますね。最近はお漏らしもせず、日中はトイレの前に必ず家族を呼んでくれます」(ママさん)。

 

「あとは今のところ、特に無駄吠えなどもないので、マンション住まいですが安心してます。隣のおばあちゃまから『全然吠えないのね』と言われるくらい。

 

この先、どのぐらいずっと一緒にいられるかなぁと考えますが、今言えるのは……、べにの介護をする覚悟はできています、ということでしょうか。

 

ツンとした反応なのに、べには私の傍から離れないので、これからも離れず、一日でも長く一緒にいようねという気持ちです」(ママさん)。

 

柴犬

初めて来た日からずっと変わらぬ愛情を注がれて。

 

「こんなに高齢の犬と暮らすのははじめてなのですが、赤ちゃんみたいで、もう可愛くてしょうがないです。

 

これからも思い切りワガママに、ツンデレに(笑)、長生きしてねと思っています」(志保さん)。

 

クールな対応が崩れ、デレが見え隠れしているべにちゃんと、そんなべにちゃんにデレデレなべにちゃんママと志保さん。

 

改めて犬は家族であり、飼い主を癒し、支えてくれる、かけがえのない存在だよなとおふたりの話を聞きながら、再確認するような気持ちになったのでした。

 

7月17日に17歳になったという、7が3つ揃うラッキーセブンな年がはじまったばかりのべにちゃん。

 

これからも引き続き幸せな日々を、大好きなママから離れない日々を、“レジェンド柴”らしく一日でも長くつむいでいってくれることでしょう。

 

柴犬と家族

17歳の誕生日当日。

 

 

取材・文/浅田よわ美

 

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