2022年1月22日2,268 ビュー View

『さようなら水族館』ーKIKI連載・お転婆姉妹の椿と柊 #5

モデルや執筆家、写真家として活動するKIKIさんは、東京と逗子の二拠点で「柴犬ライフ」を満喫中。愛柴の名前は椿(つばき)で、キツネ顔とたぬき顔のハーフさん。そして忘れてはならないのが、KIKIさんの娘であり、椿の妹である柊(ひいらぎ)の存在。

お転婆娘たちが繰り出す、明るくにぎやかで、癒しに包まれた柴犬ライフー。KIKIさんご自身が、温かな文章で綴ります。

 

#5は、昨年閉園した水族館「油壺マリンパーク」の思い出話ー。

『さようなら水族館』ーKIKI連載・お転婆姉妹の椿と柊 #5

柴犬ライフ,kiki,モデル

もう一度行きたい! と思っていたのに、その機会を逃してしまって悔やまれるのが、昨年の9月末で閉園してしまった神奈川県の三浦半島にある油壺マリンパーク。なんとここ、犬と一緒に入れる水族館だった。閉園前にもう一度行きたいと思っていたのだけれど、わたしの妊娠出産と時期が重なってしまい、最後のチャンスを逃してしまった。なので、最後に訪れた、2020年秋の思い出話をする。

 

柴犬の姉・椿は2才、人間の妹・柊は1才。それまで、犬が一緒に入れる水族館があるなんて思ってもいなかったから、家族皆でそろって水族館に行くのは初めてのことだった。でも、楽しみなのと同時に、ちょっと心配。というのも、散歩中に、いつもではないのだけれど、時折、他の犬に吠えてしまうことがある椿。アザラシやペンギンなどの海獣を見たら、ものすごい勢いで吠えかかってしまうのではないだろうかと不安だった。

柴犬ライフ,kiki,モデル

 

犬用の入場券を買って、ちょっとドキドキしながら園内へ入る。ぎゅっとリードを短く握って、いざご対面。すると意外にも、吠えることはなく、手すりに脚をかけて目の前のコツメカワウソをちょっと興奮状態でそわそわと見つめていた。椿の前のめりのその反応は、柊とまったく同じ。犬も子どもも一緒なのだなと、微笑ましく思ったのだった。そして向こう側では、カワウソが「なんだか、騒々しいのがきたなぁ」といわんばかりの表情で、こちらをじっと見返していた。

柴犬ライフ,kiki,モデル

 

園内は屋外だけでなく、室内の展示場も犬と一緒に入れた。回遊魚の水槽の前でも、魚が目に入るたびにガラスに近寄って、目をキラキラさせながら一生懸命になかを覗こうとする椿。何を感じているのかな、といつも以上に犬の言葉がわかったら良いのにと。そして、そんな姉の姿を見てか、妹も張り切ってリードを持ったり話しかけたりしていた。

柴犬ライフ,kiki,モデル

 

広い園内の奥は海に面しており(崖になっていて降りることはできないけれど)、芝生の休憩スペースもあり、天気がよければお弁当を広げてゆっくりと時間を過ごすこともできた。ゆったりとしているからか、犬と一緒に来園しているお客さんがわりと多くて、それも中型犬が多いようだった。しぜんと犬同士のたわむれタイムもあり、その可愛い姿に気を取られて、わたしとしてはカワウソたちの姿より、そんな光景の方が印象に残っていたりもする。

柴犬ライフ,kiki,モデル

 

すこし年齢を重ねて、またいつかどこかで、椿も一緒に水族館へ行く機会があったら、その時はどんな反応を見せてくれるのだろうか。そんな期待を抱きつつ、それまでは、週末ごとに訪れている逗子の海岸を、走しることが上手になってきた妹と、たくさん遊ばせようと思う。冬になり、また静けさを取り戻してきている海辺は、彼女たちの恰好の遊び場だ。

 

 

【PROFILE】KIKI

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東京生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、ファッション雑誌や広告媒体を中心にモデルとして活躍。

近年では写真家、執筆家として活動の幅を広げている。

著書は『KIKI LOVE FASHION』(宝島社)『山スタイル手帖 KIKI』(講談社)ほか

Instagram:@campagne_premiere

 

 

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