【海外取材】アメリカ、柴犬人気の悲しい裏側〜柴犬レスキュー団体「Shiba Rescue of New Jersey」
柴犬が世界的に大人気になった今、世界のいろいろなところで幸せに暮らす柴犬たちを見ることができるのは嬉しいことですよね。でも、人気の影で必ず起きてしまうのが、捨て犬など、悲しい思いをしている犬もいるという現実です。今回は、アメリカのニュージャージー州で柴犬を中心に扱うレスキュー団体「Shiba Rescue of New Jersey」にお話を伺ってきました。
柴犬を中心に扱う理由、抱えている問題点…アメリカの柴犬人気の悲しい裏側
今回ご紹介するのは、アメリカ東部にある小さな州ニュージャージー州にあるレスキュー団体。ニュージャージー州はアメリカの中でも裕福な州で、たくさんの人たちが愛犬と一緒に暮らしています。
日本でもそうですが、裕福な家庭は手に入るのが難しい海外の犬種を好みがち。
そんなニュージャージー州で、柴犬を中心に保護活動をしているのが今回インタビューにお答えいただいたShiba Rescue of New Jersey(シバ・レスキュー・オブ・ニュージャージー)です。
― 柴犬中心のレスキュー団体を作ろうと考えたきっかけを教えてください。
「私たちも柴犬が大好きな柴犬オーナーの一人です。愛犬と暮らしているうち、たくさんの柴犬が飼い主に放棄されているという現実を目の当たりにしました。かわいそうな柴犬たちのために何かできないか、いや、何かをしなくてはいけないと思い、15年前にこの団体を立ち上げました。それから、多い時では22頭の柴犬と珍島犬を一度にお世話することもありました」
― なぜ、そんなに多くの柴犬が捨てられてしまうのでしょうか?
「インターネットには、柴犬についての情報がたくさんあります。しかし、多くの人がリサーチをしないまま柴犬を家族に迎えてしまうことが問題です」
ゴールデンレトリーバーやピットブルなどの大型犬が多く飼われてきたアメリカでは、柴犬は小型犬に分類されます。
“小さくて可愛い犬”というイメージが先行して、トイプードルやチワワなど、運動があまり必要でない犬と同じような感覚で柴犬を迎えてしまう家族が多いのだとか。そのため、Shiba Rescue of New Jerseyでは以下のような呼びかけをしています。
「柴犬があなたにぴったりの犬だとお考えですか?
その前に、“小さなボディに入った大きな犬”柴犬について、実は一般的なドッグオーナーにとっては飼うのが難しい柴犬について、私たちから少しお話をさせてください。
柴犬たちは、他の犬たちのボスになりたがります。他にリーダー格の犬がいる場合、通常うまくやっていくことはできません。家族に犬や猫がいる場合、その動物たちが柴犬をボスと認めた場合に限り、仲良くすることができます。
柴犬たちの、一番嫌いな言葉は“おいで”です。柴犬たちは俊足のランナーであり生まれながらのハンターです。フェンスのない高原で決してリードを離さないでください。
柴犬をしつけることは可能です。しかし、柴犬は自分の考えを持ったいわば自立した犬です。しつけることは難しいとお考えください。“座れ”と言えば座ります。柴犬自身が座りたい気持ちであれば。
柴犬たちは自分の置かれた状況をコントロールしたがります。彼らの好きな言葉は“自分”です。爪のカットやお風呂など、自分の嫌なことをされていると認識すると、止まることなく鳴き叫ぶこともあります。
もし以上のことを知った上でなお柴犬を運命の犬とお考えであれば、もしかしたら柴犬はあなたの家族にふさわしい犬かもしれません。」
― ニュージャージー州が抱える柴犬についての問題を教えてください。
「パピーミルが未だに大きな問題です。パピーミルによって、本来健康であるはずの柴犬が生まれつき不健康で生まれてきてしまうこともあります。私たちが保護した柴犬の中にも、関節や、目、肌に問題のある柴犬が少なくありません」
― 保護した柴犬たちに新しい家族を見つけることは難しいですか?
「私たちは、シェルターの柴犬を家族に迎えたいという人たちの家族構成や家庭状況などをチェックしたうえで柴犬たちを里子に出しています。年齢や社交性などによって家族を探すのが難しいケースもありましたが、ほとんどの子に新しい家族ができ、今では幸せにくらしています」
Shiba Rescue of New Jerseyのホームページでは、『SRNJ Alumni(シバ・レスキュー・オブ・ニュージャージーの卒業生)』として、新しい家族のもとで幸せに暮らす“元保護犬”の柴犬たちを見ることができます。
こちらはその中の1頭、Marlin。当時2歳の胡麻柴です。
アメリカで柴犬を中心に保護活動をするレスキュー団体をご紹介しました。何も調べず家族に迎え飼えなくなったら手放してしまう飼い主たちがいるという現実はとても悲しいことですが、1頭でも多くの柴犬を救おうと戦うレスキュー団体がいるというのも事実。今後、このような団体がなくてもいい世界になることを祈るばかりですが、保護団体がなくてはならない今、私たちが力になれることを考えていきたいですね。
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